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招待状のないショー

「俺が死んだら闇の銀河に誰を招待する?」

桑田佳祐さんの『鏡』という歌の一節です。
いい歌詞ですよね。
ホント。
「歌詞の意味」なんて詮索するのは無粋極まりないので、本人の口からでの解説でもないかぎり、受け取り方は人それぞれでいいと思います。

僕はこの歌を聴くと「もう会わない人たち」のことを考えてしまいます。
今まで生きてきた中で、ひと言でも会話をしたり、時には友達になったり、もっと親密になったり。
でも、おそらく、もう二度と会わないだろうな、と思う人っていますよね。
そういう人たちのことを思い出すんです。
長い人生の中で、ほんの一瞬でも同じ空間や時間を共有してくれてありがとう、という気持ちもあります。
だから、「俺が死んだら闇の銀河に誰を招待する」んだろうな?と考えたりするんですよね。

僕は人より記憶力が良いんです。
そういうとすぐに暗記力と混同する人がいますけど、そうではない。
記憶力がいいんです。
いつどこで誰とどんな話をしたのか、すごく覚えています。
それがそんなに好きじゃない人との出来事だとしても、わりと詳細に覚えてるんです。
だから、たまに気持ち悪がられたり、「私のこと好きなのかな?」と勘違いされたりする。
一度だけしか会ったことがない人とか、三年間一度もクラスが一緒にならなかった高校時代の同級生のこととかもわりと覚えています。
袖振り合うも多生の縁、という言葉を意外に信じていて、例えば歩いていて本当に「袖振り合った」だけの人でも、外食してるときに隣りの席に座っただけの人にも何かしらの縁を感じるんです。
「ひょっとしてこの人、前世では上司だったのかな?」とかね。
そう考えると肩がぶつかった、といって因縁ふっかけてくる頭の悪そうなヤンキーも前世では飼ってた犬だったかもしれませんよね。
そう思うと腹も立たない。
だから「なにぶつかってきとんじゃい!」
もしそう言われたなら、
「ポチ! お前、相変わらずよく吠えるなぁ」
そう言ってあげましょう。
多分ぶん殴られると思いますが、それは仕方ありません。
飼い犬に手を噛まれたと思って諦めてください。
物は考えようなんですよね。
だから今このnoteの記事を読んでいるそこのあなた、あなたと私とも浅からぬ縁があったのかもしれませんね。
例えば、あなたが出した生ゴミを漁っていたのが僕かもしれませんし、あなたが行った百貨店のエスカレーターの踊り場的なところで透明な器に謎の泡を大量に作ってみせていたのが僕かもしれません。
まあ、結局、僕がなにを言いたいのかというと、桑田さん、これからも名曲をたくさん作ってください、ということです。

では、また。

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