占い師の子、の夢(2022.3.5)

 占い師の子として生まれた。10歳前後か。
 おそらく平安時代辺りの東洋の国。
 父は長髪にヒゲ、着物姿。相当な苦労をしたようだが、今では名の知れた占い師となり、充分過ぎる財を成し、いささか趣味の悪い豪奢な暮らし振りである。地位や財産を守ることに並々ならぬ執念を持っていた。
 もうひとり、女の子がいる。僕の姉か妹、もしかしたら双子かもしれない。この子は母の血のせいか、生まれながらに予知能力を持っていた。言葉を話せるようになって以来、先のことを言い当て続けている。
 当然、彼女の能力は父にとって恰好の商売道具だ。家から出ることを許されず、幼児の頃から予言者として働いている。評判が広がるとともに、社会的地位の高い客が来ることが増えた。
 僕はといえば、特別な能力は何も持たずに生まれた、身体頭脳ともに至って平均的な、ただの子ども。一応、占いの勉強をさせられているが、期待されていないのは明らかだった。

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