ガイドストーンよ 夢日記2024.1.26

 アルバイト先の、弁当屋の厨房。
 従業員の年配女性たちは、社長への不平不満を言い合いながら、お弁当作りをしていた。
 よくもまあ、これだけ、口と手を同時にものすごい速さで動かせるものだと、感心する。
 劣悪と言ってよい職場環境、低い時給、社長の人間性と、愚痴のネタには事欠かない。そして腹立たしさが作業の手を速める原動力になっている。それで喋るのにも容器に食材を詰めるのにも、どちらにも熱が注がれるわけだ。僕はせいぜい相槌を打つのがやっと、ほかの皆さんのスピードに付いていくのに精一杯だった。
 そんな、いつも通りの、にぎやかな日常だったのだが。
 我々が囲んでいる、大きな作業台の上に、天井を突き破って、何かが落ちてきた。轟音と衝撃、ほこりと煙、弾き飛ばされて尻餅をつく我々。
 やや時間をおいて、ショックが和らいできた。
 落ちてきたのは、板状の石だった。作業台をぐしゃりと押し潰し、落下したままの姿勢で直立している、僕の背よりも高い、分厚い石板。誰かに直撃しなくて良かった。
 表面に、字が彫られているようだ。
 女性のひとりが、これ、あれよ、ほら、あれ、と、ややしばらく、あれそれと続けた後、ジョージア・ガイドストーンよ、と、ようやく思い出す。
 まさかアルバイト先にオカルト好きがいるとは思わなかった。月刊ムーの読者だろうか。
 ジョージア・ガイドストーンと言われてピンときたのは、僕だけだったようだ。
 石に彫られているのは、人類を5億人以下にするとかしないとかいう文言。安い給料でこき使って、人口を減らそうとしているんだわ、と力説する陰謀論好きの女性。

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