建て替え、の夢(2022.4.22)

 うちの近所で、家の建て替えが二軒。
 どちらの家主とも仲良くさせていただいている。なので実情を吐露されるわけだが、ふたりともが「建て替えたくなかった」と言う。古いままで良かったと。
 ではなぜ、意に添わない工事をすることになったのか。どうやら、法律が変わって、築何年以上の家は建て替える決まりになったらしい。そうでなければ、まだまだそのままで住み続けるつもりだったのに。耐震などの関係だとか言っていたが、当の家主が正確には把握していない様子。補助金が出たとはいえ、出費も痛かった。
 それよりも何よりも、最新の仕様で建てることになるので、元のデザインとはまるで変わってしまうのが辛いと嘆く。長年に渡って愛着の染みついた家ではなくなってしまうのが寂しいと。ふたりともおじいちゃんなので、新しくなる喜びより、失うことに意識が行ってしまうのだろう。
 より我が家に近い方の家主さんから、施工業者が持ってくるのを忘れたという工具を貸していたのを、返してもらった。それと一緒に、元の家の内装から一部分を置物に加工したものも、もらった。よくお邪魔していた部屋で見慣れたものだったので、僕にとっても思い出の品。

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