前回はこちら。

　次はチーズバーガーの自販機。
　調理まで60秒かかるらしい。
　内部にレンジが仕込んであって、それで温める仕組みなのだろうと推測。
　いざ、出てきた紙箱を開けると、箱の形によって四角く変形したチーズバーガーが出てきた。
　ハンバーグの厚みは、マクドナルドの二倍くらいはある。
　味の主体はケチャップ。
　バンズを剥がしてみると、ちゃんと溶けたチーズも入っている。

　紙箱の側面にある、にゃんこのキャラクターが可愛い。
　どうやら工場かどこかに発注し作っている、オリジナルのチーズバーガーらしい。
　こういうのも、あちこちのレトロ自販機によって、個性が違っているんだろうな。

◯

　せっかくなので、もう一品だけ、何か食べたい。
　麺類が大好きなわたしは、天ぷらうどんにした。
　なにしろ、お昼ご飯は蕎麦だったし、それを食べてからまだ３時間たってない状態だったし。
　……おお、この日だけで、蕎麦、ラーメン、うどんと、麺類三種類を制覇したじゃないか！

　夫は、ホットサンド。
　こちらはレンジではなく、自販機の中に電熱器が仕込んであって、それで温める仕組みらしい。
　40秒ほど待って出てきたのは、アルミホイルにしっかり包まれた、平べったい物体。
　開けると、焦げ目もばっちりのトーストが顔を出す。

　わたしの天ぷらうどんは、まあ先ほどのチャーシューメンと同じ自販機。
　どんな天ぷらが乗ってるのかなと期待しつつ、器を取り出し口から出すと、
「おお、海老天！」
　場合によっては、単に天かすが乗ってるだけというのも覚悟したけど、ラーメンには自家製チャーシューを乗せるくらいだし、うどんなら海老天が乗ってるくらいじゃないと、釣り合いが取れない、ということかな。

　さっきの教訓により、しっかりツユを混ぜておくことを忘れなかった。
　すると、わかめ、ネギも底から出現。

　麺類は、硬めが好きで、あるいはコシのあるのを好むけど、さすがに自販機にそこまでは求められない。
　けど、代わりに、ギミック性の楽しさが、味わいを増幅させてくれる。
　味って、単にその料理の味だけではなく、シチュエーションや気持ちなど、様々なものを総合した結果の「美味しさ」だしね。

◯

　最後に、コーラで仕上げ。
　普段はペプシ派で、コカコーラは滅多に飲まないけど、
「どんな仕掛けで出てくるのかな……？」
　ボタンを押すと、がらんごろんと音がして、縦長の扉を開けると、いくつも並んでいるスロットの一つにコーラの瓶が転がり落ちていた。
　普通の自販機と違う登場の仕方をするだけで、こんなにも楽しいなんて！

　持ち帰り麺類の自販機もあったので、これも買っていきたかったけれど……残念、お小遣いがつきてしまった。
　でもまた、そのうち来るさ。