はじめに。 富野由悠季は多くの小説を書いており、ファンの中には「○○(作品名)を読んでいないのに語るな!」という方もいらっしゃるだろう。 ぼくは全著作を読んではいないが、これから語ろうとしている考えは、それらの意見とは離れた場所に位置する。(5月2日記。かなりの自惚れを込めて) もう随分と昔の話だが、宮部みゆきさんのミステリー小説『火車』をたいへん面白く読んだ。 多重債務をテーマにした魅力的な推理小説だったが、この作品が第108回直木賞候補にあがった時、選考委