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修羅の国

私の出身は福岡県の北九州市である。『修羅の国』などと揶揄される事も多いが、悲しいかな、まぁまぁ揶揄されるだけのことはあったりする。

よく取引先の担当者が同じ北九州市出身だったりすると、打ち合わせ中などでもふとしたきっかけから『修羅の国あるある』で盛り上がる事も多い。

少しだけ例を挙げると

「駅前で発砲事件がありましたというニュースが流れても大して驚かない。」

「お金は財布以外のところにも隠しておく。(カツアゲに会うケースが多いため。)」

「同じ学年に反社系の親を持つ子供が数人いる。」

「街や身近で危険人物(危ないタイプ)と遭遇する事がある。」

などである。

他の地域の方からすると驚かれるかもしれないが、こういった話で盛り上がるくらいだから、あながち大袈裟では無いと思う。

さすがにモヒカンで革ジャンスタイルの男が「ヒャッホー!」とか言いながらバギーで追いかけてきたり、「汚物は消毒だー!」とか言いながら火炎放射器を噴射されたりといった事は無いが、以前に聞いた話では深夜の繁華街近辺などを女性が一人で歩いていると、やんちゃな風貌の連中にここでは書けないような内容の声をかけられたというような話もあったので、特に女性などは夜に出歩くのはおすすめしない。

そういえば都内に住んでいた頃に、夜の歌舞伎町をうろついたことがあるが、殺伐とした空気感が地元北九州のものと似ていて少し懐かしく感じた。

そう考えると町の空気感で危険度合いを察知出来る危機回避能力(スキル)が培われている気がする。もしかすると海外旅行などでは重宝出来るかもしれない。

私の親父などもそうだったが、常に緊迫した空気を放っているため、まわりにもその緊張感が伝わっていることが多かった。

人々の緊張感が町の空気を包む事で町全体が殺伐とした空気感を漂わせていたのだろうか。

私は生来のんびりした性格なので、当時ものんびりと過ごしていた為か、直接トラブルに巻き込まれた経験はない。しかしそんな私でも一つや二つはここに書けないような内容の経験があったりするので、興味のある方は私と実際会った際にでもこっそり聞いて貰えば良いかと思う。

今では北九州以外の暮らしが圧倒的に長くなってしまったが、やはり幼少の頃暮らした思い出の残る街である。

私が暮らしていたころと比べて最近は治安も良くなってきていると聞く。

当然良いところも沢山あるのだが、今回はあえて書かないでおこうと思う。

愛すべき修羅の国、北九州。

役所はこういった治安が悪いというようなイメージを払拭しようと必死なようだが、いっそ逆手に取ってみたらどうか。

例えば『修羅の国体験ツアー』とかやったら、案外受けるかもしれない。

『北九州へようこそ!モヒカンに革ジャンスタイルのマッチョ達が皆様をお出迎え致します!』
(冗談です。)

おしまい。











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