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【第二話】舞のお稽古とインストラクショナルデザイン|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

舞のお稽古方法は実に理にかなっている。

数年前、早稲田大学のオープンカレッジで”教える技術”を受講した。
インストラクショナルデザインで著名な向後千春先生の講座である。

そこでこんなことを教わった。

教え方のゴールデンルール
1.スモールステップ
2.即時フィードバック
3.チャレンジ/スキルバランス

話は舞のお稽古に戻る。

振りつけを教わることを”振りうつし”という。

音楽みたいに楽譜などないので口伝である。

おっしょはんと1対1で対面し、見たまんま、からだを動かす。

おっしょはんは左右逆の動きをしてくれるので、
本当に見たまんまでよい。(”鏡稽古”という)
頭の中で反転する必要がない。

手は肩の高さ、もうちょっと上ですよー
からだの向きは斜め、もう少し前ですねー
お顔ちょっと傾いてますよー、まっすぐにー
今すごくいいですよー、きれいですよー!

(2.即時フィードバックだ!)

こんな調子で、1~3分くらいの部分を音楽なし/ありで何度か繰り返す。

(1.スモールステップだ!)

もうちょっと先までいけそうやな!
今日はこのへんまでにしときましょか・・・

進度は様子を見て調節してくれる。

(3.チャレンジ/スキルバランスだ!)

何回か繰り返して、まあなんとなくできるようになったら、
最後の1回は自習資料として自分の姿を動画に撮ってもよい。
(先生の姿は撮れない)

自分の不出来な姿を撮ってもしょうがない、
と音声のみ録音する人もいる。
おっしょはんは振りのひとつひとつを口で言ってくださるので、
音声だけでも充分復習できる。

ちなみに、おっしょはんのこどもの頃(昭和後期)は、
ノートに書いていたそうだ。
そらそうだ。私も同世代、まだ黒電話の頃だ。

そして、次のお稽古日まで自分でおさらいをする。
(3日後だったり2週間あいたりする)

「週末まとめて1時間2時間より、1日1回おさらいしてね」
とおっしょはんはおっしゃる。

(”エビングハウスの忘却曲線”まで登場したぞ!)


さて、理にかなったお稽古を繰り返すこと2ヶ月。

2020年1月末、とりあえず一通り舞えるようになってやっとスタート地点。
(まだおっしょはんが目の前で鏡をしてくれないと怪しいけど・・・)

音楽なら暗譜が終わったところか。
ここから弾き込み、歌い込みして自分のものにしていくのは舞も同じである。

さあ、あと2ヶ月。
3月中には、そこそこ仕上げなければならない・・・

(続く)


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