考えてみれば世界で一番食べられているピザって、イタリアのピザじゃなくってアメリカのピザじゃないかと思う。
デリバリーピザがやってくる何十年も前からシェイキーズに行けば「日本のピザ」じゃなくて「外国のピザ」が食べられた。
あれはかなりホンモノっぽかった。
だってそれまでピザといえば喫茶店のピザ。
ピザパイ…、って呼ばれていたパイシートの上にピザソースとピーマン、タマネギ、サラミにチーズで焼いたもの。

そう、サラミ！

ハムじゃなくてサラミというのがホンモノっぽさの極みだったなぁ…。
タバスコをかけるというのも外国感を演出してた。
そんな世間知らずの田舎の少年が、東京の大学に通うことになるのです。
同級生がある日「シェイキーズのピザバイキングにいかないか」って言うので一緒についていく。
横浜でした。
歓楽街の中にあって大人な立地。
店に入ると薄暗く、そこはアメリカ。バーのような作りで壁にはピンボールマシーンがいくつか置かれ、天井からはティファニーランプ。

薄暗いのに眩しかったなぁ…、大人になったような気がした。
そしてカウンターに並んでいたのが大きなピザ。
ピザパイじゃないのネ…、ピザ！
サラミの親玉みたいなペパロニや、スパイシーなソーセージ。
シンプルなトッピングでなのに惚れ惚れするほどおいしかった。
そうそう、サイドのフライドポテトにハマってねぇ…、今でも無性に食べたくなる。

考えてみればシェイキーズのあの売り方は「ニューヨークのスライスピザ」的。
それが今でもスライスピザをおいしく感じる原点なのかもしれないなぁ…、なんて思ったりする。オモシロイ。

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