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贅沢な揚げ玉…、天南蛮のエビの天ぷら

神田から歩いて、歩いて淡路町。
神田まつやでそばをたぐろうと思って昼にやってくる。

いつもにぎやかなお店です。今日もお店の前でちょっと行列。15分ほど並んで待って、お店に入る。
昼からお酒をたしなむ人の多いこと。
肴はそば屋の焼き鳥が一番人気。ゆっくりお酒をたのしんで〆にそばという粋な時間を送る人たちの間に割り込み、そのシアワセのご相伴に預かりニッコリ。
インバウンドさんも増えてきた。
かつてのおおらかな空気がこうしてちょっとづつ、戻ってきているように感じてホッとする。
蕎麦のメニューは多彩に揃うも、ここで一番好きなのが「天なんばんそば」。

天ぷらそばには大きなエビの天ぷらがつく。天なんばんは小さなエビの天ぷらにネギが浮かんだ威張らぬ姿。

人差し指ほどの大きさのエビを三尾。

それぞれ天ぷらに揚げて並べて、再び衣でつないで筏のように仕上げる。
食べてるうちに衣が汁を吸い込みふくらんで、ゆっくり散り散りになっていく。
エビもうまいが衣がうまい。
それがそばのお供の天ぷらの真骨頂で、それが天なんばんの好きな理由のひとつであります。

汁に炊かれたネギがキュッキュと歯ざわりがよく天ぷらそばにはないおいしさで、汁に浮かんだ油もおいしい。出汁のうま味にキリッと強い酸味がそばにからんで口の中へとやってくる。あっという間に器の中は汁だけになる。

そば湯で割って汁を飲むのがここの流儀。

ここのかけ汁、濃い味だけどそのまま飲めないほどじゃない。けれどそば湯で割ってやると酸味がおだやかになって、かわりにうま味がグイッと顔をのぞかせる。ちょっとづつ蕎麦湯をたしてうめながら、ゴクリゴクリと味の変化をたのしんでいく。それが醍醐味。器は見事に空になる。

ここではいつも食べる前にお勘定をおいておく。

出来た料理と交換で払っておけば、食べ終わったらそのままお店をあとにできる。おなじみさんが「つけ」で食べてるみたいな感じを味わえるのがちょっと好き。「いつもごひいきに」って明るい声が背中の方からおいかけてくる。またまいりますと会釈しました。オキニイリ。


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