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何度来ても同じ。ゆるぎなき安心感

ひさしぶりの「サラマンジェ・ド・イザシ・ワキザカ」。

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フランス語で書くと「Salle a manger de Hisashi WAKISAKA」。アッシュ(H)を発音しない、母音で挟まれた「S」は濁るのがフランス語の流儀だから、ヒサシさんもイザシさんとなる。

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サラマンジェは食事する部屋。コンパクトだけれど天井が高くてキッチンの気配をどこに座っても感じることができる空間。背筋ものびるし食べることに集中できるよきお店。

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まず前菜はダブリエドサブール。
トリッパのパン粉焼きで、これ、タナカくんが大好きだった。
トリッパを細切りにしてパン粉をまとわせ焼いたもので、トリッパから滲み出した脂でパン粉がパリッと揚がって仕上がる。
サクサクのパン粉の中のトリッパはねっとり粘って肉感的。
口いっぱいに散らかるパン粉と混じってずっと口をにぎやかにする。ずっと噛んでいたくなるようなオゴチソウ。
ちなみに東京3大トリッパ by タナカくんはここのこれとオステリアナカムラの煮込み、ピアットスズキのグリルでござった。なつかしい。

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メインはバベット。
フランス語で「よだれかけ」。つまり三角形の前垂れみたいな形をしてて焼肉店では「カイノミ」と呼ばれる部分。
ちなみに三角形の貝殻の形に似ていてカイノミで、同じ形から連想されるものが国で違うというのがオモシロイ。

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たくましさを感じる肉です。
歯ごたえがあり噛みごたえも十分で、しかもサクサク歯切れもたのしい。
焼ききれた表面部分のバッサリとした食感が、芯に近づくにつれねっとりと、なめらかにして肉感的になっていく。
脂がおいしい肉は多い。けれど肉そのものがおいしい肉に出会うと顎が喜ぶ感じがたのしく、何度も何度も感で味わう。たっぷり含んだ肉汁で口が潤う感じがなんともオゴチソウ。

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それにしても焼き切れた表面の深い焦げ色と、断面の鮮やかな赤のコントラストのうつくしきこと。サイドに添えた野菜のあれこれ。細いいんげんにマッシュルーム。熱々のポテトグラタンと食感、味わい多彩に揃いどれも素材の味がしっかりするのがステキ。一口、そしてまた一口と肉を味わいお腹に収める。

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そうそう、ここのパンにはマーマレードが付いてくる。ここは酸味を効かせた料理の多くてマーマレードの甘みや苦味が調味料の役目も果たす。

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ランチサービスのデザートはプリンを選んで亡き人偲ぶ。ここのプリンはプリンらしい普通のプリン。それが好きで笑って食べてた。ひさしぶりのオゴチソウ。


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