見出し画像

鰹節問屋さんのそば屋にておかかご飯付きそば

日本橋に用事があって、せっかくだからおいしいそばを食べてやろうと一駅手前の京橋で降りる。
ちょっと歩いたオフィス街のど真ん中にある「そばよし」にくる。

鰹節問屋直営というので人気のセルフのそば屋。
そばは麺の料理であると同時に出汁の料理でもあって、そのどちらもがおいしくないと成立しない。
でもどちらかひとつを選べと言われれば、ボクは出汁がおいしいお店を選ぶ。麺に自信があるからまずそのまま食べてみてよ…、なんて言われるとちょっとひいちゃう。
麺がおいしくて思わずおかわりしちゃう店より、出汁がおいしくって思わず飲み干しちゃうそば屋の方がいいじゃないかと思うわけです。
出汁の命のひとつは鰹節。だから鰹節問屋がやってるそば屋というのは、おいしい出汁を連想させてワクワクしちゃう。

だからここでは熱い汁そば。どんなに外が暑くても、出汁の旨みや風味を心置きなく味わうために熱いそば。
かき揚げをのせてもらって520円とうれしい値段。

半ライスを追加します。
カレー丼だとかしらすおろし丼だとか蕎麦のお供の丼が豊富に揃っているのだけれど、半ライスには鰹節粉がついてくる。
それでたったの130円。

熱々ご飯にふりかけて醤油をほんのちょっとだけ、タラリとたらしてハフッと食べる。
口の中でおかかおむすびができてくようなたのしさがあって、多くの人がたのんでる。
ここのメイン商品のひとつといってもいいかもしれない。

お店で一番安いものがおいしいお店。
しかも追加注文でしかたのめない上、説得力と必然性を持っている。それになにより手間がかからぬ商品でもある。なんてすごいことなんだろうって感心しちゃう。

かき揚げもうまいんです。

揚げたて。だから時間がかかる。食券わたしてテーブルで待ち、番号呼ばれて取りに行く。
5分ほどの待ち時間、美味しい匂いに包まれながら待つのは楽しい。

大きく分厚く、カリッと揚がった衣はザクザク。
干しエビにネギ、タマネギもたっぷり入っているのだけれどなにより衣がおいしくて、出汁をすいわせてぽってりさせてスルスル食べると油の香りが出汁の風味にコクを出す。
スッキリとした酸味がおいしい鰹だし。麺は細くてザクッと歯切れて散らかっていく。
存在感はいささか弱くも、おいしい出汁の引き立て役と思えば十分。

そばをたぐっておかかご飯を口に含んで汁を飲む。あっという間に器は空っぽ。汁一滴も残さず食べた。オゴチソウ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?