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飛び散らない系ナポリタン

今日はひんやり、雨が降る朝。ゆっくりゆっくり、踏みしめるようにゆっくり歩く。
歩道に書かれた注意喚起のさまざまが濡れるとすべることがある。踏んで滑って転ばぬようにと、注意しながらそろりそろりとゆっくりと。
そういえば今日はやってらっしゃるかしらと新宿御苑の「ドム」に来てみる。

先日来たとき、定休日ではないはずなのにお店が開いていなくって、ちょっと心配になったんです。
お歳を召したご夫婦でやってらっしゃる喫茶店。だから不意のお休みにはドキッとします。
今日はあいてて、おふたり元気でらっしゃった。
晴れた日には外の光が眩しくて座ることをためらう窓辺のテーブルをもらってのんびり。

外には植木、窓に雨粒。カーペンターズの「青春の輝き」が流れてきました。愛に臆病な青春の歌。歳をとるともっと臆病になるんだからね…、って思いながら一緒に歌う。

ナポリタンをお願いします。
お供にアイスコーヒーの甘いのを。
厨房の方からジャジャーッと麺を炒める音が聞こえて、おいしい匂いがやってくる。
そういえばここのお店の名前のドム。

もしかしたら「プラシドドミンゴ」が由来なのかも…、だってメニューにドミングスパっていうのがあって、一番推しにみえるもの。
ファンでらっしゃるのかなぁ…、なんて思ったりする。

厨房の音が静まり料理は完成。

ハムに玉ねぎ、ピーマン、缶詰マッシュルームと具材たっぷり。茹でおきの太めの麺はところどころが焦げて仕上がりケチャップをしっかりまとってもったりフォークにからみつく。
ナポリタンにはなめらかソースがたっぷりの「飛び散る系」と少なめソースがからみつく「飛び散らぬ系」があってここのは飛び散らぬ系。麺とソースの一体感がおゴチソウ。

香りも味も甘酸っぱい。これぞナポリタンっていうド直球の味わいで、タバスコたっぷりバシャバシャかける。粉チーズもばっさりと。麺をクルンと巻き取って口に運ぶとなつかしい味。

ナポリタンのような料理は工夫しすぎるとおいしくならない。贅沢な素材を使って作ると別の料理になっていく。
シンプルだからこそのおいしさ。ありがたい。

スパゲティーって具材が最後にたくさん残る。ハムと野菜のケチャップ炒めに麺が混じったようになり、そこに再びタバスコ注ぎヒーハー味にして食べる。

甘みがコーヒーの苦味、酸味をおいしくさせるアイスコーヒー。まだ外は雨。しばらくのんびりいたしましょう。


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