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悔しいほどに芸術的なステーキの話をしましょう

新橋田村町に「麤皮」というレストランがありました。

フランスの小説家バルザックの長編小説の名前に所以をもつ店名。

仰々しい漢字の読みは「あらがわ」。
芸術的なステーキをこころおきなく味わえば最低でも5万円を覚悟しないといけないお店。
けれどその値段をはるかに上回る満足を確実に与えてくれる店でもあって、特別な人と特別な時間を過ごすためによく使っていた。

そのお店は今はない。
入居しているビルの建て替えで、場所を移して営業している。

神戸三宮にも店はあり、けれどどちらも田村町のお店のような満足を味わうことはできぬ残念。
忘れてしまうことはあまりにも勿体なくて、思い出話を残しておこうと思います。

パッとしない雑居ビルの地下。共用トイレ

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