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エスカレーターで行くパリの朝

池袋で朝。ひさしぶりに「カフェド巴里」にした。

駅の東側は最近、再開発が活発でどんどんオシャレになり始めている。
一方、西側は昔ながらの猥雑なムードが強く残るエリアで、駅前交番のお巡りさんがピリピリしているのが伝わってくる。
お巡りさんの数も異常に多いしネ。
そんな交番の斜め向かいにあるお店。

寄席の入ったビルの2階。一階にある入り口前に立つとパカンと扉が開く。左右じゃなくて手前にパカンと開いた目の前にはいきなりエスカレーター。見上げればシャンデリアがぶら下がった天井があり、そこから一直線にパリに向かっていく趣向。池袋のパリはエスカレーターで行けるパリ!

お店の中はロココ風とでもいいますか…。
モールディングのほどこされた天井に優雅な照明。
熱帯魚の泳ぐ水槽、至る所に彫像がある。
昔はこういう喫茶店がどんな町にもひとつはあった。バブルの頃には地上げ屋さんの溜まり場みたいになっていたはず。
今は優雅で静かな空間。

朝のサンドイッチ、アイスコーヒーをセットにします。
ミルクとガムシロはお使いになりますか…、って聞いてから置く。
ポーションパックじゃない店は最近ほとんどそう聞くようになってきた。コロナの頃からかなぁ…、感染予防と無駄を拝する両方の目的でしょう。
ステンレスの蓋付きピッチャーにガムシロ、白い陶器のピッチャーにミルク。どちらもたっぷり。ありがたい。

サンドイッチとサラダが一緒のお皿に並んでやってくる。サラダはキリッとつめたくみずみずしい。まずは野菜を全部お腹に収めてそれからサンドイッチにとりかかる。

喫茶店のサンドイッチはこう作りなさい…、ってお手本みたいなサンドイッチ。
卵サラダとハムのサンドイッチがひと組づつ。耳をキレイにとって3切れに切り分けている。パンは10枚切りの薄くてざっくり、粗めの生地で「枚」単位じゃなく「本」と呼びたくなる細長さ。
ハムにもたまごサラダにもきゅうりとレタスが一緒にはさまり、カリカリシャキシャキ歯触りよくて寝ぼけ眼が目覚めるゴチソウ。

お腹をおいしくよろこばせ、しばらくここで書き仕事。昼はおむすび食べましょう。


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