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思い出の天ぷらそばはエビの尻尾までおいしい

天ぷらそばがどうにも食べたい。
それも浅草の尾張屋さんの天ぷらそば。思いはじめたらどうにもこうにも食べたい気持ちがおさまらず、気づけば来てた。

ほぼ開店と同時の時間。
テーブルに座るや迷わず「天ぷらそば」って注文します。それからやおらメニューを開いて、写真をパシャリ。

1700円という値段はここしばらくかわらずそのまま。
ありがたい。
お店はたちまちにぎゃかになる。
ほとんどの人が、天ぷらそばや天せいろ、あるいは天丼を注文してる。ここで天ぷらといえばそれはすなわちエビの天ぷら。
どれほど大量のエビを使っているんだろう…、おそらく手剥き。毎日エビを剥いてく手間ってすごいだなろうなぁ…、って頭が下がる。
厨房からは天ぷら油のおいしい香りがやってきて、タナカくんとふたりでよくきたコトをしみじみ思い出す。大抵ボクは天ぷらそばで、タナカくんは天丼で、交換しながらふたりで食べていた。5分ちょっとで出来上がり。

やはりエビの天ぷらが圧巻です。
腰を曲げずにスクッと背筋を伸ばして仕上がる大きな天ぷら。

エビの筋を指で潰しているからで、潰しすぎるとエビ独特の弾ける食感をなくしちゃう。
潰す加減がとても大切。
器からはみ出すエビが堂々二尾。
柚子の皮がひとかけに三つ葉がパラリ。ネギは別添え。いつも景色。
エビの尻尾が大きくて、衣で大きくみせてるわけじゃない証。しかもキレイな色は鮮度のよい証拠。

衣は厚め。ところどころがチリチリ、花咲くように揚げられていて、ツユにつかるとそこがたちまちとろけてく。天ぷら油の風味がツユにコクや味の奥行きつける。
このツユの味が好きでねぇ…、だからここではいつも熱い天ぷらそば。天せいろは数回食べてみたけどやっぱりかけ天そばがオキニイリ。

エビの天ぷらは歯応え抜群。ムチュンと健気に奥歯ではぜる。エビ独特の甘い香りと旨みが口に広がって、ツユをたっぷり吸い込んだ天ぷら衣がぽってりからむ。油のコクと一緒になってとろけてく。
そばは細くて、なのにバッサリ歯切れてちらかる。熱い汁に使っていながら伸びてしまうようなこともなく、ずっとバッサリ。
醤油の風味がキリッとしている汁がおいしい。出汁の旨みや特に酸味がしっかりしていて、後口がよく天ぷら油をスッキリ感じる。途中で七味をパラリとかける。

ここの七味は胡麻が多めで香り華やか。辛み調味料というよりも香り調味料のようにふるまうおもしろさ。
エビの尻尾もバリバリ食べて、最後にネギを落として風味を変えてツユまで全部飲む。堪能しました…、オキニイリ。


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