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貝のおいしい季節の寿司は格別

先日、中野のアーケード商店街を歩いていたら「立ち寿司横丁」をみつけた。
塚田農場なんかを経営している会社のすし屋。新宿、中野、高円寺、吉祥寺と中央線沿線にしかお店を出していないというのがチェーン展開の何かの意識を感じさせるおもしろさ。
季節のメニューがいつも魅力的で、しかも春は貝がメインというのでふらりと入ってしまいそうになった。
さすがにそのときはお腹いっぱい。日を変えて今日、新宿の店にやってきてみる。

おりしもの雨。にもかかわらずお店の中はにぎやかで、12時前にはほぼ満席になっていた。
立ち席、椅子席で値段がかわる。ランチセットにして100円ほど。ハイボールなんかは半額になったりするから立って食べる人もかなりいる。合理的で面白い。
「座ります」って言ったら椅子席は混雑してて握り手とお客さまとのバランスがとれない状態。立ち席に椅子をおいて座ることになる。
立ってる人に見下ろされながら食べる感じがいささかあれではあるけれど、まぁ、しょうがない。貝5貫盛りをまずたのむ。

浮き上がるように作られたドリンクメニューの工夫がなかなか。
裏側が握りや刺身の単品メニューという構造に、よほど飲んで欲しいんだろうなぁ…、って思う。
お供はお茶です。
そしてテキパキ、貝5貫。

赤貝、つぶ貝、あおやぎ、平貝にホッキが並ぶ。
好物の平貝があるのがうれしい。
それからあおやぎ。

軽いアンモニア臭とでもいいますか、独特の香りとねっとりとしたなめらかな噛みごたえがなんとも言えぬ春の味わい。
赤酢のシャリは人肌で、はらっと崩れてちらかる握り加減もいい感じ。赤貝ぷるん、ゴリゴリつぶ貝を噛み砕き、口のすみずみ満たして撫でるホッキを食べて平貝は最後に食べる。好きなものは最後派ですゆえ。

追加で焼きゲソマヨに穴子に中トロ。焼きゲソマヨはたしか前回まではなかったネタで、魚河岸日本一で食べるしかないと思っていたけど、ここのもおいしい。ネタが大きくこんがり焦がしたマヨネーズの風味もよくて感心します。

穴子は分厚くとろけるおいしさ。そしてとうとう平貝。
ザクザク歯切れてすっきりとした旨味と一緒に崩れて消える極上感にまたウットリ。
ガリサバ巻で〆にしました。

酢〆のサバをガリと一緒に巻いた中巻き。噛むとザクザク、ガリが壊れて口の中が騒々しくなる。ガリも〆さばもシャリも酸っぱく、なのに決して嫌味じゃないの。強いて言うならこれはお酒のお供だなぁ…、って思って席をたちました。


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