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いささか静かなマーブルラウンジの朝のバフェ

西新宿のヒルトンホテルで朝。

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インバウンドの人たちに人気のホテルの人気のバフェで、最近はいつも行列ができていた。
開業当初の予想を遥かに上回る客室稼働率のため、客席数が利用者に追いつかない状況がずっと続けていたのだけれど、今日はあっけないほど静かでびっくり。
お店の人に聞いてみると、コロナウィルスの影響で中国からの観光客が激減して朝食時間だけこんな状態なんですよ…、って。
ランチ以降のバフェは人気で今でも予約がとりづらい状態だったりするから、宿泊部門は本当に大変なんだろうなぁ。
でも開業した当初はこれが当たり前でしたもんね…、こののんびりとしたムードがちょっとなつかしいですって言うと、みんな大きくうなずいて、最近が異常だっただけだと思えば初心に返って、お客様ひとりひとりとの丁寧なお付き合いを取り戻すいいきっかけになりますね…、ってみんなでニッコリ。ホッとする。
この時期のバフェって、お店の人とお客様として集まる人たちとの信頼関係がないと成立しない場所。着席をしてまずトイレにいき両手をキレイに洗って料理をとる準備。

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いつものようにお皿の向こうにアルファルファの山。餃子や野菜のちらし寿司。野菜炒めにベーコンなんかを盛り付けてくうちお皿の上がとっちらかった。まぁそれもよし。
もしゃもしゃとしたアルファルファ。食べた瞬間、なぜだか口の中の水分が持ってかれ乾いた感じにびっくりするも、噛んでるうちにどんどん口がみずみずしくなる。緑の香りが鼻からぬけて、体の中がリセットされるような味わい。オキニイリ。

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せっかくキレイにリセットさせたお腹にベーコン。超薄切りをサクサクするまで焼き上げた、口の中をひんやりさせる脂の食感がおいしいこれもオキニイリ。頭に元気がみなぎってくる。

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オキニイリののホワイトオムレツ。
バフェの中央のエッグステーションの列に並んで待ってると、なじみのシェフが「白身でミックスでしたよね」って聞いてくる。
はい、それで…、って答えて待った。
なんだかすごくうれしくて、もっとひいきにしなくちゃなってしみじみ思った。
古いホテルだから客室の天井は低いし、水回りも最新のホテルに比べればパッとしない。
西新宿のホテル街の外れにあって新宿駅からのアクセスだってお世辞にもいいとは言えないけれどムードが明るい。上等なホテルに有りがちなよそよそしさがなくってフレンドリー。その空気感を作り出してるエンジン部分がこのバフェレストランなんじゃないかとボクは思ってる。

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水分が多い白身だけで作ったオムレツは、切ると中から透き通った汁が出てくる。
卵の旨味を含んだまるでスープのような美味しさで、サイドに添えたアルファルファで吸い取り食べる。
パプリカ、ピーマンの緑の香。
ハムやチーズのコクや旨味で味が整い、ふっくらとした軽い食感もなんとも独特。

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サンドイッチをいつものように作って食べる。
トースターでこんがり焼いた全粒粉のパン。
薄切りで焦がすと風味が際立つ仕上がり。削ったももハムにゴーダチーズをのっけてパカンと折り畳み、手のひらのせて体重かけるとピタッとくっつく。それをナイフで4つに切り分けパクッと食べるとなんとおいしい。
パンの風味に歯切れる食感、噛み応え。ハムが崩れてチーズがとろける。調味料なんて使わずとも素材の持ち味だけで味が整っていく。素材の力ってすごいなぁ…ってしみじみ思う。

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そろそろ〆に向かってく。飯を少々、ちぎったレタスにソーセージ。スクランブルエッグをそわせて醤油をチョチョと垂らす。

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ナイフとフォークで刻みながら混ぜ合わせサラダご飯にしてパクリ。途中で胡椒をカリカリ挽いてスパイシーな味わいたのしむ。空気をたっぷり含んだご飯は軽やかでいい。
甘いもので血糖値あげて終えることにする。

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小さなパンケーキにホイップクリームをたっぷりのっけ、ベリーソースで彩添える。グレープフルーツとオレンジ飾って、プレインヨーグルトにバナナを半分。強い甘みや自然な甘み。酸味にバナナの軽い渋みと多彩な味に気持ちまでもが華やかになる。コーヒー飲んで、しばらくのんびりいたしましょう。


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