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たとえファンドのモノとなったとしても…。

東京駅で時間ができて、イノダコーヒで虫養い。

京都を代表する喫茶店。
角屋旅館に泊まって朝をのんびりお部屋で食べて、朝風呂浴びたら、たらりたらりと三条通りを西に歩いて堺町通りをおりていく。
すると左手にイノダコーヒ本店がある。

そこでコーヒを飲みながら今日一日をどうたのしもう…、と考えごとするというのがボクの京都の2日目の朝。
タナカくんはラムロックを食べ、朝からすっかり上機嫌。
…、てなことを思い出しつつハムトーストとカフェオレもらう。

京都の洒脱な文化、生活を感じることができる気軽な場所でもあって、コロナが明けたら行きたいねぇ…、なんて言ってたお店でもある。

最近、ファンドに株式譲渡したらしい。

京都のコーヒーチェーン、株式会社イノダコーヒ(本社:京都市中京区、代表取締役会長 :猪田 浩史)が、事業承継を目的にアント・キャピタル・パートナーズ株式会社が運営するファンドに株式譲渡したと9月27日に発表した。

イノダコーヒは創業1940年の老舗で、京都で6店舗、東京・神奈川・広島に各1店舗の計9店舗を展開している。通販も合わせて、同社HPによると年商16億円。

アント・キャピタル・パートナーズは、未上場企業の創業オーナーからの事業承継のための投資を行っている。2017年12月には、「イカセンター」を展開する株式会社スプラウトインベストメントを、19年8月には「うまい鮨勘」を展開する株式会社アミノを承継している。

発表したのは代表取締役社長の前田 利宜氏。自社努力だけでは事業承継できなかったようだ。

フードリンクニュース

後継者が見つからないから…、というのが理由でそういう話をよく聞くようになりました。
外食産業を取り巻く世界は年々複雑さを増すばかり。通常の経営手腕と事業継承に求められる素養は違って、プロの経営者に身を委ねてでも暖簾を守りたいという気持ちのあらわれなんでしょう。けれどやっぱりどこか切ない。
投じた資金を回収しなきゃと拡大路線に走るようなことがなければいいけれど…。なにより優雅な空気が守られることを心底願う。

といいつつカフェオレを見ると見慣れぬスティックシュガー。
小さく優雅な角砂糖が姿を消した?
ドキッとしたから見ないことにしてハムトーストに目を向ける。

そのうつくしき焼き加減。
それそのものがおいしすぎないサンドイッチに適した食パンをこんがり焼き上げ、ハムときゅうりを挟んでスパッと切り分ける。

バターとマヨネーズをほどこしただけ。
素材の持ち味だけで味がととのう、端正にしてなのに瀟洒なオキニイリ。
前歯をカサッとくすぐり歯切れるトーストに、ガツンと前歯を叩いて壊れるほどよき厚さを保ったきゅうり。なにより主役はロースハム。むっちりとして歯ごたえがありしっかりとした塩味、そして深い旨みが口を満たして消えていく。

ポテトサラダがついてくる。これが不思議な味わい、食感。
なめらかじゃない。茹でたじゃがいものホツホツとした食感と風味、味わいが残ってて、マヨネーズ風味の粉吹き芋って感じがおいしいオリジナル。

それも挟んでカプリと食べる。口の中がおいしいもので満たされるのが心地よい。

噛みごたえがあって食べるとポタッとマヨネーズがお皿にたれる。ポテトサラダでそれを拭って、お皿をキレイにして終える。

銀の袴をはいたグラスに風味豊かでやさしいカフェオレ。水の入ったグラスにも、紙ナプキンにもお店のロゴがプリントされて、こういうところも変わらずにずっとあっていてくれればなぁ…、って思ったりする。オキニイリ。


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