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かやくご飯に鯛の子、なんばの大黒

大阪で昼。なんばの「大黒」。
かやくご飯がおいしい店で、営業がはじまる前に近所を歩いた。そしたら出汁の香りとカラメルっぽい焦げる匂いが表通りまで漂っていた。
ご飯が炊きあがって蒸らしに入る直前の煮えばなの香りだったんでしょう…、お腹がなった。
仕事をすませて店に飛び込む。いつも変わらぬおいしい出汁の香り混じりのおだやかな空気が漂う。ホッとする。

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いつもはかやくご飯の「小」をたのむ。
もっと食べたいと思う寸前で箸をとめるのがおいしい余韻をたのしむコツ…、と思ってずっとそうしてきたんだけれど今日は「中」を食べてやろうと、朝ご飯を抜いてきた。

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それで「中」。汁におかずを3つたのんで今日の昼のひと揃え。かやくご飯と汁のお椀は蓋つきで、ワクワクしながら蓋開けめでたくご対面。

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かやくご飯の艶々とした姿とおいしい香りにウットリ。
ハフっと一口。
出汁を飲み込み仕上がったふっくらご飯がパラリ、散らかる。
ご飯に細かく刻んだかやくがたっぷり混ざり込んでいて、それらそれぞれが何かを口は感じない。
けれどごぼうやニンジン、油揚げやらこんにゃくがご飯に混じって確かにそこにあるって気配がしみじみたのしい。
具材がご飯をおしのけて主張する炊き込みご飯とは違ったおいしさ。
これだけで十分が味が整っていて、けれど汁やおかずをねだるほどよき味わい、風味がなんとも粋。

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汁は白味噌、卵を落として作ってもらう。
甘い白味噌にどっしりとした出汁の旨味がまじる味噌汁のまたおいしいコト。ぽってり喉を撫で回すようなツヤツヤとした飲み口に、落とした卵の黄身がとろりと溶け出し彩り添える姿がおゴチソウ。

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この季節ならではのおかずが鯛の子。出汁で炊かれて最後に卵で軽くとじて仕上げてる。魚卵の粒を卵がふっくらまとめてそれが口の中でフルンとはぜる。騒々しいのにやさしい食感。なにより出汁がおいしく、しかも主役のかやくご飯を炊いた出汁と根っこが同じ。口の中でのまとまりが良い。

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焼いたサバは皮がおいしい。自分の脂でバリっと揚がったように仕上がっていて、食べるとそこがサクサク崩れる。崩れて脂が滲み出し、口の中がひんやりするのがなんともたのしい。

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茄子の炊いたんもみずみずしくて、出汁を味わうようなご馳走。今日も満ちます…、また来よう。


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