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母と親分さんの丁々発止から学ぶコト ①

ネット上でホリエモンと舌戦を繰り広げていた尾道のラーメン屋さん。
店の営業に深刻な影響がでて、なんとかしようとクラウドファンディングで集めたお金で作った冷凍餃子の販売店を先日、クローズすることになった。
ホリエモンにも言い分はあるだろうけど、悪質な嫌がらせには変わりない。

昔から飲食店は嫌がらせの対象になることが多かった。

ボクが小学生の頃のことです。
両親は松山でうなぎと日本料理の専門店を経営していました。
後に中四国一円に店を増やして手広く商いをすることになるのだけれど、まだ当時は3店舗だけ。
どの店の人気の店でいかにも儲かっているように見えたのでしょう。
反社の人たちから嫌がらせを受ける機会も多かった。
時代も時代でしたし、道後温泉を有する松山にはそういう人たちが町の隅々に根っこをはやしていたということもあったのでしょう。

言葉遣いや接客態度が悪かったとか、異物混入とか言いがかりをつけられることは日常的で、けれど毅然とした態度で応対すれば大抵のことはおさまる。
組織の下っ端は正義には弱いもの。
下手に出るとつけあがるから、言うべきことはしっかりと言うということが大切。
あの店は手強いぞ…、って評判になると不埒な輩はこなくなる。
うちもそういう暖簾で通ってた。

ところがあるとき、とある組の長を名乗る人から電話がかかった。
出前でとったうな重からゴキブリが出てきた。
誠意をみせてほしいという電話。
父はどうしようかとうろたえる。
今のように反社の人たちを取り締まることが簡単にできぬ時代です。

男の人はこういうときには役にたたない。
私がでかけて、なんとかことをおさめてきましょう…、と母が準備をはじめます。
着物に着替える。
帯をシュシュッとしめながら「褌の紐はすぐ切れるけど、着物の帯は少々なことでは切れないからね…、締めがいがあるのよ」って気合を入れて出ていった。


あなたのおっしゃる誠意とは一体なにでございましょうか…。

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