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とんでもないものに出会っちゃったよ…、油そば

夜、「油そば」にデビューする。

油混じりのタレをあえて食べる料理だということは知っている。
スープがないからラーメンに比べてカロリーオフなんだ…、ってどの油そばの店にも書いてあって、そりゃ、ラーメンを食べてスープを残せば同じだろうってずっと思って横目に見てた。
家の近所に「東京麺珍亭本舗」っていう油そばの中では老舗と言われるチェーンの店があって、案外評価の高い店。

にもかかわらず今まで縁がまるでなかった。
一念発起して食べてみた。
ひとくち食べて「あぁ、とんでもないものに出会っちゃったぞ」ってしたたか後悔するほどこれがおいしかったの。

注意書きにも書かれているとおりにお酢と辣油を注いでそれから一気に混ぜる。
丼の底に溜まったタレをよじれた太麺にまとわせるよう上に下へと混ぜ続けると、魚介系の醤油ラーメンの香りがしてくる。麺にタレが行き渡ったところでズルリ。

旨いです。醤油にタレのうま味に香り。太い麺に油がしっかりしがみつき唇ヌルンと撫で回しつつ口の中へとなだれ込んでくる。
硬い。噛むとむっちり、タレと混じってとろけてく。

食べるラー油のようなドロ辛子なるものをポンと置き胡麻をすってニンニクマヨネーズをチュチュっとほどこす。担々麺風の味になり、お酢を足せば酸辣湯麺の味にすらなる。
デビューだから奮発してチャーシュー油そばをたのんだのだけど、チャーシューが邪魔になるほど麺そのものがおいしいんですネ…、食べはじめると止まらない。

調味料をあれやこれやと使ううち、使えば使うほど美味しくなっていくことがわかって結局、なんの味やらわからぬほどにおいしくなってく。
日記を書いたら忘れよう…、って思うも多分、思い出してまた食べにくるに違いないです。困っちゃう(笑)。


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