見出し画像

チャイナドレス眩しい中国料理「天祥」で昼

タナカくんが中野富士見町に住んでいた頃、「近所にオモシロイ中国料理屋さんがあるんだよ…、ってボクを誘ったことがある。
どう、オモシロイの?って聞いたら「香港に行ったみたいな気持ちになれるの」って。
それにね…、お店の人がみんなチャイナドレスを来てるんだよって、目を輝かせて続けたんです。
チャイナドレスに喜ぶなんて…、って笑いながら一緒にいった。
新中野の駅の近くの「天祥」って名前のお店。

外から見てもかなり立派で大きくて、ドアをあけたらソファが置かれた立派な前室。

風除室をかねていて自動ドアの扉がまたある。
開くと真っ赤な壁に階段。たしかに香港の高級中国料理のお店によくある作りでちょっとビックリ。

階段を上がるとレセプションがあってチャイナドレスのおねえさんが「いらっしゃいませ」とにこやかに出迎えるんです。
もうビックリ。店の設えも立派で本当に香港的で「すごいネ…、ここ」って言ったら「そうでしょう」って嬉しそうににんまり笑った。

そのとき何を食べたのかはまるで覚えてないんです。
おいしかったことは覚えてる。それにタナカくんはよく来てたんでしょう…、チャイナドレスのおねえさんたちと世間話で盛り上がっていたのはスゴく覚えてる。
ひさしぶりにやってきて、あのときのようにチャイナドレスのおねえさんたちに出迎えられて、でもひとりだからカウンターに案内された。

木彫りのレリーフがほどこされたテーブルにガラスで蓋した豪華なカウンター。冷たいお茶は足つきゴブレットに入ってくるのが優雅で城東。大きな窓から町の景色が見て取れる。
ランチセットが数種類。一番手頃な「松」を選んでしばし待つ。

おねえさんが笑顔で料理を運んできます。
蓋付きの器にご飯。スープに漬物。
メインが2種類。
お膳をポンッと置くのでなくてトレイで料理を運び、ひとつひとつ配膳していく。
料理の姿も上等です。

メインのひとつは豚肉とタマネギの炒め物。
オイスターソース味で炒められてて少々甘め。
豚の脂があまくてしかもタマネギの状態が見事でシャキシャキ。
歯ざわりよくてむっちりとした豚肉の食感ひきたておいしくさせる。
もう一種類は茄子と豚ひき肉の味噌炒め。油で揚げた茄子にひき肉。茄子に比べてひき肉たっぷりで肉を味わう料理のように仕上がっている。

油で揚げた茄子はポッテリ。これも甘めの仕上がりで食べ続けるとどっしりとした辛みが後からおいかけてくる。

ひき肉とソースをスプーンですくってご飯にのっけて食べるとこれがおいしくってネ…。油を含んだ茄子のとれけもおゴチソウ。

生姜の風味のスープもおいしい。専門店の味だなぁ…、ってしみじみ思う。
塩の抜き具合が絶妙なザーサイ、それから干した大根の醤油漬け。この大根の醤油漬けが好きだった。八角の香りがついてて紹興酒のお供にいいねって言っていた。

食後に杏仁豆腐までついてくる。硬めの豆腐にキウイやぶどうの甘みがひきたつ甘みさわやかなスープがおいしい。また来なくちゃって思って席を立ちました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?