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『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』を読んで


山本文緒さんの『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』を読みました。

これまで山本文緒さんの本は読んだことがなくて、作品を一歳知らなかったんですが母から薦められて初めて読んでみました。

膵臓癌が発見されてから亡くなるまでの闘病日記です。

実は私の父は胆嚢癌で2021年2月に亡くなりました。そんな背景もあり、読み始めるとすぐに父の闘病生活を思い出してすごく悲しい気持ちとこの状況わかるなあという気持ち。自分の父のことを重ねながら読み進めました。

山本文緒さんは2021年の4月にがんと診断されたので、父が亡くなったちょっとあとの出来事だったんだなあと。

私の父は2019年10月ごろに胆嚢癌が発見されて、その後コロナが流行り出して、お見舞いにも行けない日々が続き本当に辛かった。
父の場合はがんを発見してから8ヶ月くらいしてからようやく手術を受けることができました。なかなか黄疸が下がらないので、とても時間がかかり、そして胃も一緒に切除しなければいけないので胃も大きくしてとなかなか大変な手術で、手術は成功しましたが、さらに8ヶ月後に亡くなることとなったんです。

父のことを長々と書いてしまいましたが、山本さんはがんが見つかった時には時すでに遅しで、緩和ケアを選択されたとのこと。見つかった時にあと余命4ヶ月と言われたそうで、急にがんが発見され、後4ヶ月しか生きられないと言われたら相当辛かったと思います。

人間ドッグを受けていてもなかなか見つからない膵臓がんも本当に恐ろしい病気だなとこの作品を読んでめちゃくちゃ思いました。

緩和ケアを選択されたということはあとは自分の死を迎える日に向かって日々を過ごしていく、人間はいつか死ぬ生き物であって、みんな生まれてきてから死ぬ未来へ向かっていくものと言うことはもちろんではあるけれども、病気で苦しみながら1年後には自分は生きていないかもしれないと思いながら過ごす日々は地獄でしかないと思います。

そんな苦しい状況の中でも自分の状況と闘病生活について日記として記録に残した山本さんはとても強い人間だと私は思いました。私だときっと自分1人で抱え込んでずっと寝たまま誰にも会いたくないし、なにもしたくないと思う。

闘病生活を支えた旦那さんもきっと優しくていい人なんだろうなあと思ったし、山本さんのことをきっと愛していると感じました。自分の妻が余命宣告をされて日に日に弱っていく姿を見て、支えるのも本当に辛い。私は父が病気になって悩み続けて苦しんできた母の姿を見てきたので。

最後までしっかりと病気で苦しんで生きられた山本さんがこういう作品を残してくれて本当に素晴らしいと思うし、違う作品も読んでみたいと思いました。

そして、みんな少しでも日々の生活の中で身体に違和感を感じたら原因がわかるまでしっかりと検査をして不安のない生活を送って、早期発見しましょう!!!


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