仕事を辞めることにした、という話。 19.03.09

3月いっぱいで仕事を辞める。

こういうキリのいいタイミングで辞めないと、また惰性で続けてしまって辞められないだろう。だからもうここで辞めることにした。

上司のひとりは「次決まってから辞めればいいのに」と言った。もう一人の上司は「君が本屋で働き続ける人だとは思ってないし、よくやってくれたから寂しいけど、君の決断を尊重するよ」と言った。上司にそれを伝えるときはやたらに緊張した。恋人に別れを告げる時ってこういう感じなのかな、とか思う。経験ないから分からないけど。

気づけば8年半もここで働き続けてきてしまった。そもそもここで働きだしたきっかけは何だったろう。ニートではい続けられなかったこと、地元だったこと、コンビニとかより本屋の方が性分に合ってると思ったからだ。言うほど本も読まなかったし、8年経った今でも大して読まない。本屋という場所で働くということに、それほど意味というか、理由はなかった。

ただそういう場所でも、自分の好きなことを生かせるような場所になっていったのがありがたかった。クルマ雑誌、音楽雑誌、やがて音楽書籍、そして最終的にはアート書籍。与えられた場所はある程度好きに出来たし、そういう場所でなければこうまで続いてはいなかっただろう。

ここで働き続ける方が立場として楽だというのは分かる。社員にならないの?とか言う人もいたし、上司からそれとなくそういう提案をされたこともあった。でもそういう選択肢が自分の中に表れることは全くなかった。自分がやりたいことが(具体的にコレと言えるほど分からないにしても)ここで働くことではない、ということは感じていたし、受け持った棚を作るのは楽しかったが、それとは釣り合わないくらい、接客という仕事は辛いことが多かった。

3月いっぱいで辞める。それがこの数年間、もう辞めよう、と思い続けながら働いてきて、やっと出した結論なんだろうと思う。いや、そんな大層なもんでもないか。たかがバイト辞める程度で話が大きすぎたかもしれない。でもそれくらい重大な問題だったのだ、自分にとっては。

次に何をやるか、なんとなく色々求人を探したりはしているが、じゃあそれを今後の人生の生業とするのか、というとそんな気もしない。とりあえずまずは、切れた自室の蛍光灯を取り替えなければならない。

すっかり習慣づいてしまった、コンビニの安い赤ワインを飲む週末である。

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