見出し画像

【入門編】実験計画法(組み合わせを1000分の1にする方法)

あなたは実験計画法をご存じですか?

世の中には、たくさんのパラメータがあります。

画像2

例えば、このトマト、おいしそうですね~。

私は小学生のころ、一番スキな飲み物はトマトジュースでした。

今でも自販機で見つけたら、たまに飲みますよ。



美味しいトマトの収穫量を最大にするための

パラメータは、例えばこんなモノが思いつきます。

①肥料の種類は?(肥料A or 肥料B)
②1日にどのくらい日にあてる?(4時間 or 7時間 or 10時間)
③1日に水をやる量は?(10cc or 100cc or 1000cc)
④土の硬さは?(やわらかい or 硬い or すごく硬い)
⑤温度は?(15℃ or 20℃ or 25℃)
⑥湿度は?(30% or 50% or 80%)
⑦苗を植える間隔は?(20cm or 50cm or 100cm)



今、適当に7つのパラメータを仮定しました。

では、一体 各パラメータのどれとどれの組み合わせが

もっともトマトの収穫量を最大化できるでしょうか?



このとき、ひとつひとつのパラメータの組み合わせを考えてみます。

組み合わせⅠ:肥料A、日照時間4時間、水分量10cc、土はやわらかい、温度15℃、湿度30%、苗の間隔20cm
組み合わせⅡ:肥料B、日照時間4時間、水分量10cc、土はやわらかい、温度15℃、湿度30%、苗の間隔20cm
組み合わせⅢ:肥料A日照時間7時間、水分量10cc、土はやわらかい、温度15℃、湿度30%、苗の間隔20cm
組み合わせⅣ:肥料B日照時間7時間、水分量10cc、土はやわらかい、温度15℃、湿度30%、苗の間隔20cm

まだまだ、続きます。

組み合わせⅤ:肥料A日照時間10時間、水分量10cc、土はやわらかい、温度15℃、湿度30%、苗の間隔20cm
組み合わせⅥ:肥料B日照時間10時間、水分量10cc、土はやわらかい、温度15℃、湿度30%、苗の間隔20cm
組み合わせⅦ:肥料A日照時間10時間、水分量100cc、土はやわらかい、温度15℃、湿度30%、苗の間隔20cm



これ、一体 何とおりあると思いますか?



答えは、4374通りあります。

つまり、

4374回の実験をしなければ、

最大収穫量がもとめられないのです。



無理ですよね。

そこで、登場するのが、コチラ


画像1



あまり小難しい話は抜きにして、

できるだけ簡単に説明しますね。



実験計画法の何がスゴイっていうと、

先ほどの4374通りのパターンに対して、

実験計画法を使えば、たったの18回の実験だけで、

最大収穫量がもとめられてしまうのです。



ものづくりの会社では、KKDという言葉が存在します。

KKDとは、

カン・経験・度胸の頭文字です。



製品の開発段階で何かを決めるとき、

だいたい、実験計画法を扱わない会社では、

KKDでモノゴトを決める場合があります。



けど、あくまでもカンと経験と度胸だけなので、

なんの根拠にもなりません。

だから、実験計画法が役に立つのです。



今から、実験計画法の概念を説明します。

少々乱暴ですが、かなり省略して言うと、この図が実験計画法の原理です。

画像3

この箱のカタマリ。

斜めから見るとイビツですが、

上下左右どれかの一方向から見ると、

全てこんな風に見えます。

画像4

これが実験計画法です。


概念の話なので、少し分かりにくいかもしれませんが、

頑張ってついて来てください。😖


塗りつぶす箱を最低限にしながら、

1面を埋めることができるのです。


トマトの例で言い直せば、

どのパラメータのどれとどれを組み合わせるかを

最低限(18回)にしながら、

全ての実験(4374回)を行った結果と

同じ答え(最適な組み合わせ)が導き出せるのです!!



なぜ、そのようなことができるのか

というと、

交互作用の効果を抽出するからです。



交互作用とは、

お互いが影響しあう事で発生する作用のことです。

画像5


トマトのパラメータを使って、

もう少しかみ砕きますね。


肥料Aと日照時間4時間を掛け合わせたときの収穫量を10個とします。

画像6

肥料Aと日照時間7時間を掛け合わせたときの収穫量が15個とします。

画像7

つまり、

肥料Aと日照時間7時間は、日照時間4時間のときより

5個多く収穫できました。



この5個を肥料Aと日照時間7時間の交互作用と考えます。

次に肥料Bで日照時間7時間のとき、収穫量を12個とします。

画像8

となれば、肥料Bと日照時間4時間の収穫量は12個以下となるので、

その実験はしなくても良いということになります。

画像9


正確には少々異なりますが、説明を判りやすくするために

このように書きました。



もっと具体的に知りたい方は、参考書を読んでみて下さい。

きっと、あなたの身の回りでも役に立つこと間違いなし!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?