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作業療法におけるクライエントとの関係性、関り方とは?

 先日、日本作業療法学生連盟(JAOTS)の方たちがTwitterのスペースで実習のことなどを話す企画がありました。今のOTSの方たちは、そんな深いところまで考えているのかと驚き、私としては身が引き締まる思いでした。私は実習はとにかく辛くて早く終わらないかなんてことばかり考えていたので…。

 その中で、クライエントとの関係性をどう考えるかといった話題があってとても興味深く聞いていました。確かに私も実習のときには、「まずは患者さんとラポールを…」とか「患者さんとの関係づくりが一番大事」とか言われた記憶が確かに…いや、わずかに…残っています。しかし、現場では、そんな大切なことなのに授業では取り扱った覚えはあまりないし、「寄り添って」くらいの一言で片づけられてしまうのが作業療法での関係性の立ち位置じゃないかと思うわけです。

作業療法での関係づくりの立ち位置

 作業療法においてクライエントとの関係づくりの立ち位置はなんとなく不明瞭で、関係づくり自体が目的となってしまっているようなふしがあるような気がしています。私は基本的には作業療法の実践で行われることは作業適応や、作業参加、作業機能障害の維持や改善といったところが目指されるものだと考えています。それを達成するためにはクライエントとの関係が大事になってくるということかなと。作業療法におけるコミュニケーションについて体系化されている理論で意図的関係モデルというものがありますが、その中でもこの理論は心理療法ではないのですと書かれています。

 作業科学に作業ストーリテリング、メイキングといったといった概念がありますが、その過程の中では共通の理解地平の確立と作業ストーリーテリングでクライエントを作業的存在として理解したうえで、作業ストーリーメイキングで未来へ向かって協業していきます。作業療法における関係性はそこに向かっていくためのもので、OTはどのような形で関わるのがよいかということを推論したうえで関わる必要があると思っています。

 どのように関わるのがよいかといった推論や方法については意図的関係モデルが詳しいので参考にされると面白いと思います。個人的には下記の本が一番わかりやすく書いてあると思います。


ケアとセラピーという補助線

 物事に補助線を引いて考えるというのは東畑開人さんの考えで、私は最近とても影響されています。補助線を引いたうえでグレーもあるのだと考えいる。例えば作業モデルと医学モデルであれば、対立させるのではなくて、作業モデルが重要なときもあれば医学モデルが大事な時もある、どんなときにどっちが大事?どんな状況であればどっちが大事?といった具合でしょうか。

 ケアとセラピーという補助線を引くと、作業ストーリテリングはケア、作業ストーリメイキングはセラピーだなと思うわけです。

生存者の価値を明らかにし、その人の性格の感じや、それがいかに作業の中で形づくられたかを選び出し、作業的存在としてその人の個性を十分に認識したうえで、作業療法士は今度は生存者と共に、意義のある未来を組み立てるために共同で仕事をする。

著:Ruth Zemke、Florence Clark 監訳:佐藤剛 作業科学

 今、クライエントと話しているのは作業療法の中でどのような意味があるのか。作業歴を聞いていく中でケアしているのか、今後どのようにすればいいか一緒に考えているセラピーなのか。それを有効に進めるにはどのように関わるのがよいか。

おまけ:クライエントにタメ愚痴問題

 基本的に私はスタッフにもクライエンsトにもほぼ使います。実際のところは人によって変えるのは大変だからという側面もありますが…。タメ口が上記のようなコミュニケーションを円滑にするのであれば良いのではないでしょうか。先ほど”ほぼ”と書いたのは子供達と関わるときには敬語を使用しないことがあったからです。

 なんか小難しくなってしまいましたが、私は現場ではこんな小難しいことは考えていないですが、クライエントと関わる中でよく思い出すような言葉があるなとふと思いましたのでそれはまたの機会に書こうかと思います。

 うーん、まとまらなかった笑。難しいですね。

 

 

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