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調味料としての日本酒とは?

「日本酒を、もっと身近に」という理念をかかげながら活動している日本酒メディア・コミュニティ『酒小町』。今回は「調味料としての日本酒とは?」についてご紹介していきます。 
このマガジンでは、日本酒の豆知識をわかりやすく、ちょっと飲んでみたくなるようなコラムを書いています。
日本酒が好きという人はもちろん、日本酒がはじめてな方、好きで飲んでいるけど専門用語まではちょっと…という方、これから日本酒を勉強してみたい!という方、ぜひお酒を片手に読んでいただけると嬉しいです。
ただ飲むだけでもお酒は美味しいですが、少し知識をいれるだけで普段飲む日本酒が更に美味しく、楽しくなりますよ! 


さて、第15回目:日本酒を買う時の考え方、にてーーーー

もし買った日本酒が苦手な味だったり、飲みきれない時には、料理に使うのがおすすめです。
煮込み料理などを作る時に、お水を入れることがあると思います。それをアルコールを煮切った日本酒に差し替えるのです。 (面倒な人はアルコールを飛ばさずにそのまま入れてOK) お鍋、カレー、煮物、…などなど、いつもとちょっと違った感じになりますよ。 

と、触れました。
『口に合わない日本酒は調味料として使っちゃいましょう!』と言うのは簡単ですが

・調味料として日本酒を使うと、何が起こるのか。
・そもそも料理酒と日本酒は何が違うのか。


今回は、調理料としての日本酒をみてみましょう!

料理酒と日本酒(清酒)の違い

シンプルな違いは、「アルコール分以外に何かを加えられているかどうか」です。
そして、加えられているもので代表的なものが、 塩分(塩) です。
※そのほかに、甘味料、うま味調味料、クエン酸/酒石酸/乳酸/コハク酸などを主成分とした各種酸味料などが使用されます。
通常、アルコール度数1度(1%)以上のものには、酒税法により課税されます。

しかし、塩が加えられた結果、アルコール度数1度(1%)以上でも「不可飲処理をされたもの」ということになり、酒税法のくくりから外れ、「酒類」ではなく「飲食料品」という扱いになります。それにより酒税がかからないため安く提供できるようにしています。また、20歳未満でも購入が可能になります。

余談ですが、似たような話が「みりん」にもあります。
みりんはアルコール度数が日本酒並みにあるので、実は酒類扱いです。
「みりん風調味料」であれば、お酒の扱いから外れており、20歳未満でも購入可能。

機会があれば、料理酒をぜひ一口舐めてみてください。
いわゆる日本酒のように、お猪口に注いでぐびぐびとは飲めないと思います。
日本酒の感覚で料理酒を入れていたら、思った以上に味が濃い/しょっぱい、なんてこともありますのでご注意を。
ちなみに、レシピでの表記は

  • 料理酒→料理酒

  • 酒→日本酒(清酒) と使い分けられています。


料理での日本酒の効果

●臭みを消す/風味が豊かになる
アルコールが揮発する時に、ネガティブな臭いの元となる成分を一緒に連れ去る効果があります。 また、アルコールそのものの成分が素材の嫌な匂いを覆い隠す効果もあります。 この相乗効果により、結果として臭いが消えると感じます。
ネガティブな要素が少なくなる分、食材やほかの調味料の香りや香りが目立つようになるため、風味が豊かになりますね。
主に魚やお肉などの生物の下処理や調理過程にて使われますが、干物などでも活用できますよ。
この時に使用する日本酒は、香りの強い、純米大吟醸、大吟醸は日本酒そのものにある香りが主張してしまい、他の香りと喧嘩してしまいます。

●食材をやわらかくする ●味を染み込みやすくする
アルコールには食材の保水性を高める効果があります。食材の細胞・筋繊維がゆるむ結果、食材がやわらかくなります。 また、アルコールが食材に染み込む際に、旨味や他の調味料の成分を一緒に連れて行ってくれますので、味が染み込みやすいのです。

煮崩れ防止になる
煮崩れ、とは、食材の細胞が崩壊することで発生します。 アルコールが染み込むことで細胞を繋ぎ止める成分(ペクチン)を強化する効果があり、煮崩れの予防になります。


いかがだったでしょうか。

ついつい買ってしまって自宅のストックが増えてしまっていたり、瓶一本の量が多くて飲みきれなかったりした日本酒。ぜひとも 料理に使うことで、第二の人生ならぬ、酒生を送らせてあげませんか?

それでは今回はここまで!


日本酒コラム『ゆるゆる日本酒教室』

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20代から30代の「お酒の場と、交流が好き」な人たちが集まる日本酒コミュニティ『酒小町』。「日本酒好きのあそび場」をコンセプトに、年齢も職業もバラバラの個性豊かなメンバーが乾杯するだけでなく、自分たちであそびを企画したり、日本酒について学んだり......誰もがホッと一息ついて自分らしくたのしめるようなサードプレイスをつくっています。

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コミュニティ内にはこのnoteのように、講義の形でない日本酒の知識を唎酒師さんがゆるゆる共有してくれるコラムがあります。美味しく、楽しくをメインにしていますが、こんな風に日本酒の知識を身につけながら飲むお酒もまた格別ですよね。

今回コラムを書いてくれた社会福祉士×日本酒学講師のダイゴさんのnoteはここから読めます。日本酒以外の話題も含め、優しくてわかりやすい文章が特徴です。

酒小町制作メンバー

執筆:ダイゴ|社会福祉士×唎酒師・日本酒学講師=Sake Social Worker(note
ディレクション:関谷サイコ(Xnote
企画:卯月りん(XInstagramnote

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