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Buen Camino_Portugués-12【pilgriming】ポルトガル巡礼の道

これまでのあらすじ。
スペイン巡礼道の1つ、ポルトガル巡礼路を歩く旅がスタート。現実に戻るための準備を開始。港を後にし聖地に向かう山を登り始める。
Catedral Santiago de Compostelaまで残り7km。ターニングポイントはもうすぐそこ。悟りは開けるのか!
今日はO Milladoiro→Santiago de Compostela(7.24km)の予定。
昨日のNoteはこちら


Buen Camino_Portugués-12【pilgriming】ポルトガル巡礼の道

注意あるいは警告:
本Note#12ではSantiago de Compostelaのミサや儀式を載せています。
過去の私のように、現地で初見で直接触れたいと望まれている方は読むのをやめてはいかがでしょうか。
あなたの巡礼旅が良き旅となりますことを。
それでは今日も良い一日を。

作者

巡礼者の朝は早い。まだ月が明るいうちに起き準備を開始する。
日が昇り始めてからでは遅い。準備ができたら皆に「Buen Camino」と笑顔で言って歩みを進める。
そんな、平凡だが幸せな毎日が続く。

スタート。
同じような発想の人がもう歩いている。

ちなみに私は、簡単な朝食をほうばり進み始める派。
歩いているとカフェが開くのを待って朝食+ティータイムを楽しむ人も。
人それぞれ。

今日は可能であれば10位以内を目指してみたい。
特別な儀式に参加できるそうだ。
噂が本当か知りたいが、とは言え、何を犠牲にしてもということはないので最終日もいつものように気軽に歩くことにする。

街灯なんて無い。携帯のライトで進む。晴れているので星明かりで案外明るい

暗闇の中で後から来た他の巡礼者のライトを頼りに進んでいく。
メキシコ人の老夫婦だ。
話しをしながら歩く。

出身を聞かれたので日本だということを伝えると、今経済はどう?とか国内情勢はどうだ?いった質問をしてきた。
海外の人で初対面の人に多い質問に感じる。

こういう時のために準備をしている。
簡単なことでいいのだ。
日本の失業率とか、外交の状況とか少しでも把握しておくだけでもある程度会話はできる。

失業率の情報に加えて、やはり日本は海外の情勢に左右されがちであるところ、中国の情勢や台湾の情勢が極東では重視されているし結構危ない状況などを話して軽く議論になった。
AM7時の話である。早朝路上ディスカッション。

メキシコは失業率が高いが、アメリカよりの場所は仕事が安定しているらしい。
そしてウクライナ情勢も影響しているとのこと。
ロシアと中国が嫌みたい。

そんな話をしていたらカフェが急に表れた。
彼らはここで朝食を取っていくようだ。
Buen Camino、またあとで。と言って別れる。

暗闇猫 朝ぼらけ
5.5km地点


まだ星が瞬いている。
黒から青へ。
その時、一つの星が銀河の中で瞬いて消えた。
その時、一つの時代が終わりを告げた。
歩いていると青がより薄く水色に。



矢印が教えてくれる
もう街中。サンティアゴ・デ・コンポステーラまであと少し。人々の生活の中に入り込む。
到着。こちらは大聖堂入口。
バックパックを持って中には入れないので注意です。
ついたついた。
勝手知ったるサンティアゴ・デ・コンポステーラ。
巡礼証明書をとりに。

並び始めると寒い。
今回はしっかり簡易ダウンを着用する。
これ以上の体調不良は防ぐ。
Tシャツ姿のひともちらほら。
寒くないのかしら。

前回来たときよりWeb上での入力フォームが少し変わっていたので、いつでも最新版を取ることをお勧めします。
ネットに過去のQRコードや入力サイトのアドレスが出回っていますが古いのもありました。


現地で手入力で情報を入力することも可能です。こちらは変更なさそうですが、もしかするとタブを開いたときの選択肢が更新されていたかも。
21番。10番以内には入れなかった。

受付番号は21番。
10番以内には入れなかった。
これは先にも話したことでもあるが、10番以内に入ると伝統儀式である夕食会に参加できると聞いたので本当かどうか確認したかったのだ。
でも確認する方法はない。(素直に聞けばよいのだが。)

さて、証明書は最短1分で発行されました。
それまでに自分で情報を入力したりする時間が結構かかります。なので入力したら順番番号を取りましょう。

予想が大幅に外れていました。
昨日の予想を見てくださっている方すみません。
全くの予想間違い。
そもそも前提条件が間違い。

Laneは15台。一人当たりの時間は1分少々。これで発行されました。
休憩の有無はわかりませんでしたが早いです。
簡単ですが会話もしましたし、Congratulation!とも声をかけていただきました。
ということで結果は結果として自分の中の情報も更新しました。

距離証明書の発行に2€。証明書を入れておく筒は3€。筒は欲しい人が買えますし、ここでなくとも結構いろんなところで売っています。
たいてい3€より安い。でも面倒なのでここで入手。

あと、巡礼証明書発行センターには巡礼者が使えるトイレがあります。
多分ここが大聖堂周辺で一番近い無料のトイレなので使っておきましょう。
外にもトイレはありますが結構遠い。
まあ、カフェでお茶をすればトイレも使えて問題はないです。

お金を払って中庭へ。
いつもの木の下で撮影会。

スタンプで思い出がよみがえる。
到着したのでOkm。こちらはお土産物屋のオブジェ
この足で歩き切りました。ザックとともに。ホタテ貝はIRUNのアルガルベから。そのほかは基本同じ装備。

たどり着きました。
町の中の地図が頭の中にあるのと前回の記憶も相まって、大聖堂を見た感動はそんなになかった。

不意に「たどり着いたらそこがスタート」という歌詞を思い出す。
これからも自分の足で歩いていくし、まだまだ別の巡礼路もあるので道半ばだ。
まだ目指せる次があることはありがたい。

歩けるうちにもっと色いろなところを歩こう。

あとから到着したポーランドチームやたまたまここで出会った人たちと到着を喜びお互いを称え合う。
ここでこれまで一緒に歩いてきた仲間再びあったときのほうが感動があったと思うみんなとハグした。


人が多い。

この後陸軍の軍人たちが来て警備かと思いきや写真を取っていた。
町の中ではマシンガンを持った兵隊や警察がウロウロしている。

さあ、お昼ご飯を食べよう。
実は行くところは決めていました。前回もお世話になったレストラン。
Menu del Diaがおいしいお店。

Informationをちょっと行った先、小道を通るとあります。

ENTRE RUASに行きたい。良く知る小道を通る
あれ?やっていない。

閉まっていました。
ちょっと調べてみると、しばらく前から急に臨時休業しているみたい。
おじいちゃんかおばあちゃんの調子が悪いのかしら?

いずれにしても残念。
でも、切り替えるしかないね。お腹もすいているし。

GADISでおっさんに出会った。紐につながれている。

とりあえずスーパーへ。
GADIS、カルフール、DIAなどあるが、GADISへ。
お土産を物色。ピクルスやビール、パテなどを買う。
ちなみにこの周辺のスーパーマーケットの中ではGADISが一番スペイン土産を買いやすい。
前にバスク人のイゴールに教えてもらった美味しいお土産は大体ここにそろっている。
アンチョビ。オリーブの実。アンチョビオリーブ。オリーブオイル。ビール。
有名メーカーのものもここでひとそろいします。

軽くお菓子も買ってつまむ。
今日の宿泊先修道院を目指す。

Seminario Menor Hostel に町中から向かう道。修道院までは結構アップダウンのある道。

距離のわりに結構時間がかかります。
大聖堂から、アバストス市場の横の道を抜け大通りを渡ると長い下り坂。
ここを下りて、少し歩くと修道院です。

Seminario Menor Hostel
ん。張り紙? Completo?

Seminario Menor Hostelに到着。
なんと。

Full。

ここ254室のShared Roomですが(個室もあるが)。
12時前の段階でCloseとは。

やはり侮れなかった。大観光地。
エルサレム、バチカンと並ぶキリスト教三大巡礼地のひとつでもあり、世界遺産に登録されているサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の終着地。
これだけ人来ているもん。ほとんどの人は歩きや自転車で来ていないしね。

人が多すぎて写真に他人を入れないで大聖堂だけ全部入れて取るの不可能だもの。
巡礼証明書の発行の速さにはびっくりしましたが、2日前の自分の決断に感謝したい。


入れたのでいろいろなところをチェック。 食堂と水場
廊下からの景色
大部屋に平置きの別途。
2€コインがないとロッカーが閉まらない仕組み。
今までありがとう。穴あき靴下に感謝。サンティアゴ・デ・コンポステーラでお別れ。厚手なのに速乾で助かっていた。日本に帰ったらまた買おう。

ベットに寝ころんだら、靴下に穴が開いていた。
長い間ありがとう。
そうね。10年位持った気がする。物持ちがよい。

大聖堂の方向だけど全然見えない。

さて、ひとつ目のレストランが開いていなかったので時間をおいて次を探します。
狙いはMenu del Dia。

街中に公園。誰もいないのは13時過ぎだから?
ウエイターに質問したら、Menu del Diaがあると。やった!
でも解読が必要。

Menu del Diaがあって、Pulpoの文字があったのでここに決めた。
Pulpo a Feitzは美味しいやつ。

Pulpo a feitz

タコうまい。
Pulpo a feitzは外れがないな。
単にタコと塩とオリーブオイルが好きなだけかもしれませんが。

メニューは全く読めなかったが話を聞く限り魚を焼いたものというのはわかった。
そしてバカリャウが出てきた。白身の魚が好き。
食事の最後はCafe con leche


人のいない道を探して探検。
結構人がいないところもある。

お菓子屋を思い出したのでお菓子屋へ向かう。
ここも前回来ていたところ。
こっちもやっていないと困るなあ。と思いつつ向かう。


あった。巡礼者ケーキが有名な店。
でもケーキは買わず。アーモンドケーキとミニタルトを買う。
せっかくなので大聖堂前の広場で食べる

広場で食べようとしていたら警察が。
あれ?ここ食べるの禁止だったっけ?と思いきや、今日はスペインの閣僚会議みたいなものがここサンティアゴ・デ・コンポステーラで行われるとのことで警察や軍隊が警備にあたっているらしい。
警察官が来たのは、ここに車を止めたいからどいてくれということだった。

ちょっと離れたところに座る。

眺めながら食べていたら、何度か会ったフランス人のリヨンくんに会う。最初のパートナーも一緒だった。
大聖堂への到着を一緒に喜ぶ。
彼らは昨日着いたらしく、今日は観光していたとのこと。

夜のミサには行くの?とか情報を交換する。
彼らは昨日もミサに参加していたようなのだが結構混んでいたらしい。なので開始の30分前には行かないとねと話していた。
またボタフメイロは見た?と聞いたところ、見ていないとのことで昨日はやっていなかったみたい。
そういえば女性の名前は忘れたがイタリア人だった。フランスとイタリアの二人だった。10日経って初めて知った。

さて、今日はボタフメイロは見られるのだろうか。

警察車両がやたらと多い。


コンサートでもあるのかしら
大聖堂内部。ボタフメイロ:香炉が中央に吊るされている
いつものセキュリティの人。この人毎日見かけた。
ポジションはここの席が一番見やすいと思う。
(8回ぐらいミサに通った結果として。)
司祭の話、聖体、ボタフメイロが人も含めて綺麗に入る画角はここだと思う。
聖体をいただく
無いと思っていたらボタフメイロだ。
口が開いて香が炊かれる
ぶおんとぶん投げる。そしてタイミングを合わせて皆でひっぱる



遠くにいるときに引っ張ります。
ぐおおおーーん という感じ。

ブンブン音が鳴っているように見える写真たちですが、音はほとんどないです。
緩めて引いて、緩めて引いて。
ただ闇雲に引っ張るだけでは人生上手くいきません。
6人の大男が引き続けます。

パイプオルガンの音が壮大に流れている中で儀式は行われました。

画面全体が白くなってきた

教会の礼拝の雰囲気、空気感が好きです。
別にキリスト教を信仰しているわけでもないしましてやカトリック教徒でもありませんが。
聖域なのでしょうか。いるだけで空気がぴりぴりとする感じ。
詠唱も何度もやっていると何となくできる気がする。

国名が呼ばれ祝福される。
到着したことを改めて認識する。
ひとつの旅が終わる。

今回の巡礼旅では「Come from?」と聞かれることが多かった気がする。
これまでは今回ほどは無かった気がする。
同じ人と行動することが多かったから?それとも。

日本語にすると「出身は?」かなと思うが、
「あなたの起源、アイデンティティはどこの国(場所)から来ていますか?」という感じで聞かれている気がした。
話しをしていると、生まれた国、育った国、今住んでいる国が違う人が多い。
起源を聞いて、今のことを話すことでその人の歴史の「生まれからー今」がわかるのかもしれない。
間を埋めるのは、これから親しくなればジグソーパズルのように埋まるだろうし、すれ違うだけであれば枠組みだけの記憶となるだろう。

新たに出会った人との会話の基本かもしれないが、相手のことを知るきっかけをつかむにはとても良い質問だろう。
その答えから、自分のこれまでの経験や知識をつなげて、同調することができる。

国の違いでなくとも県が違う場合もあるだろう。それぞれの土地の文化で生活しているとやはり色がある気がする。
空気に色がついているような感じだ。
私もいろいろな土地で育っているし、今はデンマークを生活拠点にしているのでその文化の影響も受けているし与えている。
でも、改めて巡礼で感じたのは源は日本にあると感じた。
日本であり、ジャパニーズであり、ハポンであり、ヤーパンなのだ。(どれか、あるいは全て言うと、どこかのタイミングで相手に日本人だと理解される。)

そしてボタフメイロから流れていたパイプオルガンの音が小さくなっていき音がなくなる。
これで今日の儀式が終わる。

本来であればこの後礼拝堂で改めて礼拝が始まるはずだが、例の閣僚会議とやらのイベントがあるため全員退出となった。

私ももう帰ろう。

夕日に照らされる修道院


自転車ツアーもいいよね。ツアーは荷物運ぶ段取りも考えてくれるから楽。こちらは多分、昼間聖堂前で見かけた韓国チームのもの。
青春

後日談。
綺麗に終わらせたかったが、まだまだ物語は終わらない。

修道院はベット平置きで2段ベットのようにギシギシと音がなのですが、近くのベットの人たちが特殊でした。

それでは今日の登場人物です。
男A:全裸で豪快にいびきをかいて寝ている。
男B:CPAP-シーパップしてコー、ハー、コー、ハー言っている。
女C:やたらとカチカチベット横の照明をつけているひと。

シーパップを知らない方は以下参照 ↓

日本呼吸器学会サイトより。

んー。寝れない。
男Aのいびきがうるさいし、男Bことダースベーダーも近くで私を狙っているし。ダースベーダが狙いやすいように女Cがライトでピカピカアシストしているし。

いびきと呼吸の停止を防ぐためにシーパップをつけているのだろうけど、それが逆にうるさい。
もはや音が合わさってより増幅している気がする。
極端なことを言えば、音と光でエレクトリックパレード状態。

シーパップしながらいびきを聞く気分はどうなんだろう。
自分のこれまでのいびきで慣れてしまっているから気にならないのだろうか。
みんな自由だ。自由に生きていることを改めて感じる。忘れていた。

しょうがないので、耳栓をしてアイマスクをして寝ることに。
ここにきて飛行機でもらったアイマスクと仕事で使っていた耳栓が活きてくる。
ただの荷物だと思っていたのに、ここで使うために何百キロと運んでいたのだ。

うーん。ただの無駄だな。
でも寝れるなら何でもいいや。

ちなみに今日は距離としては7kmの道のりでしたがかなり長く歩きました。
街の散策やスーパーへの買い出し、大聖堂と宿の行き来などで結局17km歩いていました。
宿の場所にもよりますがミサへの参加や食事などを考慮するとサンティアゴ・デ・コンポステーラは歩く距離が長くなりがちです。
でもまあそうですね。これをするためにあるき続けてきたと思いますので気にはなりませんが、30km歩いた後に+7kmは結構辛いと思いますので最終日の走行距離を決める参考になれば幸いです。

明日も朝から移動です。
さて、一旦巡礼旅はこれでおしまいです。
読んでいただきありがとうございました。

私の巡礼の路ではありましたが、同じ巡礼者にとっては恋愛巡礼路でもありました。
詳細はこれまでの話を振り返って見てください。
彼らの恋愛に幸ありますことを!

このあとは少しExtra編を書こうかな。
このあとの旅や、途中書けなかった詳細を徒然と書いていきます。

たどり着いたらそこがスタート。

それでは今日もよい一日を。








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