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酒の穴対談 その2「りんご音楽祭の思い出」

2017年9月23日(土)
長野県松本市アルプス公園で開催される野外フェス「りんご音楽祭」に、パリッコ+スズキナオの酒ユニット「酒の穴」が出演することになった。会場内に設置された「いなごステージ」というトークブースに登場し、酒の話をした。楽しかったその時の思い出を振り返ってみた。

撮影:セキケースケさん

ナオ:りんご音楽祭、終わりましたね。あっという間に終わりました。
パリ:おつかれさまでした。あんなに一瞬だとは。
ナオ:夢のようでした。
パリ:それぞれ大阪から東京からと、会場入りまでの行程が違ってましたがナオさんはどんな感じで?
ナオ:前の晩から、我々と同じくトークブースに出演する“けんちん”さんや「シカク」の“たけしげ”さん、“原田ちあき”さんたちと車で大阪を出まして、早朝に会場に着いた感じです!
パリ:楽しそうだなぁ

ナオ:みんななんていうか、それぞれの道を極めた人ばかりで、けんちんさんなら団地、UCさんと言う方は給水塔とか、それぞれに詳しい領域があって、話題もすごい豊富なんですよ。
パリ:みんなその道の巨匠。
ナオ:それに対し、俺は「酒」ですからね。ほぼ丸腰。
パリ:ただ酒好きなだけって、世間的に見ると特に価値はない。
ナオ:そうそう。
パリ:うちら、どのツラ下げてって感じですよね。

ナオ:途中のサービスエリアで休憩したりしながら会場を目指しました。深夜から朝までは駐車場に車を停めて寝たりして。
パリ:それもまたいい思い出っぽいすねぇ。
ナオ:青春っぽさがありましたよ!
パリ:青春っぽさ、貴重ですからね。全身全霊で味わっておかないと。
ナオ:パリッコさんは、当日朝出発ですか?
パリ:はい、色々と事情もあって、かなりタイトに。当日の朝、7時くらいの新幹線で新宿を出て、10時すぎに松本着。そこからシャトルバスで15分ほどで会場に着きました。
ナオ:最高に便利!俺の青春に比べて大人だなー!
パリ:青春うらやましいっす。
ナオ:青春バトルでは俺の完勝ですね。
パリ:サンドイッチとシュウマイ、そして酒を買って電車に乗り込んで、年のせいか全部食べきれなかったです。
ナオ:青春じゃねぇー!
パリ:おじいさん。
ナオ:まあそういう俺も、深夜のサービスエリアで、みんなが名物のソースカツ丼を食べてる横で、翌日のこと考えて豚汁単品をチョイス。じいさんです。
パリ:わはは!
ナオ:もたれるかなーって。実はまったく青春じゃない。

ナオ:それで会場でパリッコさんと会ったのが朝10時過ぎぐらいで、我々のトークの出番が13時過ぎぐらいでしたよね。
パリ:ですね。割と出番が早めでした。
ナオ:出番までそんなに時間が無かったんですが、それまでにパリッコさんがちゃんと泥酔してたのが面白かったです。
パリ:それは「カラオケ酒場 春ちゃん」のせいです。
ナオ:ひとまず、一通り会場を回ったじゃないすか。
パリ:それで、最終的に一番過ごす時間が長かったのが、会場の一番隅っこの「こんなとこに?」ってとこでやってる、沖縄から出張出店してきてた「カラオケ酒場 春ちゃん」。

撮影:けんちんさん


ナオ:那覇市安里っていうところにお店があって、お店のスタッフの方がまるごと来ていたようですね。
パリ:お店の人のキャラが全員めちゃくちゃ濃くて。夢かな?みたいな。
ナオ:アフロの人もいれば、和服の人もいるし。
パリ:すごかったっすね。「一応様子を見に行ってみよう」って、近づいていったら、めちゃくちゃ遠くの時点で、全員から「お~い!」って手を振って迎えられて。
ナオ:ははは。待ってたよー!みたいな。間違いなく初対面なのに。
パリ:もう、「あ、うちらの居場所あった」って思いましたよね。酒もフェスと思えないくらい安い。
ナオ:お酒のプラカップを再利用すると100円おまけしてくれてね。
パリ:酒場に首まで浸ってる人じゃないと思いつかない、「それそれ!」っていうサービス感覚。
ナオ:2品オーダーするとカラオケ歌えるチケットが1枚もらえて。店の奥にカラオケの設備がちゃんとある。

撮影:スズキナオ

ナオ:そこでパリッコさんが岡村靖幸の「だいすき」を歌って、あれが最高でした。
パリ:楽しかったっすねー。
ナオ:岡村靖幸は今回の「りんご音楽祭」に出てなかったじゃないっすか。そうか、出てない人の歌も歌えるんだな!って。
パリ:ははは。大発見ですよね。あのシステムなら出てない人の曲でも盛り上がれる。
ナオ:そうそう。

撮影:スズキナオ

パリ:しかも、死んだ人の歌でも!
ナオ:そうなんですよ。なので、フェスに出たら盛り上がりそうだけど絶対出ない人っていうことで俺は尾崎豊の「15の夜」を歌いました。
パリ:完璧なチョイスでした。サビをその場の全員で合唱して、みんな目が潤んでましたよ。
ナオ:15でも夜でもなんでもなかったんですけどね。
パリ:やー、やばかった。って、このままだと延々と「春ちゃん」の話で終わる。

ナオ:いや、でも本当にすごかったです。すぐ近くの大きいステージで本物のミュージシャンが演奏してるわけじゃないですか。
パリ:そうそう。
ナオ:なのに、カラオケでこんなに楽しくていいのだろうかと。
パリ:胸を張って、他のステージに出てるミュージシャンやお客さんに負けてない楽しさだと思えました。
ナオ:すごい一体感でしたわー。
パリ:人生で一番盛り上がったカラオケかも。
ナオ:また、フェスならではの、普段出会えないようなお客さんも入店してくるんですよ。2日目にお母さんと10歳ぐらいの娘さんが一緒に来て。
パリ:ならではっすねー。
ナオ:娘さんが「黒猫のタンゴ」を歌ってましたよ。
パリ:話だけで泣ける。ベストな選曲ですね。
ナオ:可愛かったー。

ナオ:そんな風に会場内で色んなことが同時に起きてる中で「いなごステージ」っていうトークブースが今年から設けられて。
パリ:“金原みわ”さんと“よいまつり”さんが二人で進行する奇跡のステージ。

撮影:けんちんさん


ナオ:そこに我々が「酒」で。二人とも音楽的な活動もしてるけど「酒」で出ましたよ。
パリ:複雑な心境、と言いたいところですが、願ったり叶ったりでした。
ナオ:金原みわさんが聞き役をしてくださって、それで、酒の話をしましたね。
パリ:ひどい内容だったような。
ナオ:「最近では木や石を見ながら酒を飲むんじゃよ」っていうおじいちゃんの話を「うんうん」って聞いてもらってるみたいな。
パリ:うちらのことを知らず、お酒好きだし聞いてみよう~って来てくれた人がいたとしたらブチ切れるでしょうね。
ナオ:ね!
パリ:いい酒場の話とかしろよ!って
ナオ:なるほど、そういう話をすべきでしたね。
パリ:それか、日本酒のトレンドみたいな。
ナオ:あー!
パリ:何一つわからないからな……。
ナオ:とにかく、有用な情報は一つも無かったはずです。

ナオ:フェスってみんな椅子持ってきていて、そこに座って飲んでるみたいな人がたくさんいましたよね。チェアリングの先輩たち。
パリ:そう!
ナオ:ここにいたのかみんな!と。
パリ:うちら、何もないとこに椅子おいて飲んだりしてましたが、「フェスに来て音楽聴きながらやればよかったのか!」って。
ナオ:やっとたどり着いた。
パリ:時間かかった。

ナオ:なので、我々がしゃべったことはフェス常連の方には当たり前かもしれないですね。そこら辺でぼーっとして飲む楽しみとか。
パリ:そうでしょうね!何当たり前のこと話してんだろう?って。
ナオ:当日、パリッコさんもマイチェアーを持ってきて座ってましたけど。ああして見るとただのフェスのお客さんですもんね。
パリ:しかも完全に、一番下っ端の。
ナオ:ははは。

ナオ:ステージとステージの間ぐらいのに座ってる人も大勢いたんですが、あれはなんであそこなんだろう。
パリ:「ここがいいと思ったから。ただそれだけ」
ナオ:かっけえー!「両方聞こえるので得だから」とかじゃないっすもんね
パリ:どっちも捨てがたいから(笑)
ナオ:はは。
パリ:そういう時は、両方捨てるのが達人です。

ナオ:それでトークが終わって、少し反省会もかねてと、いうことで「春ちゃん」に行きましたよね。
パリ:反省会場間違えてる。
ナオ:「おかえり~!」って言われて「ただいまぁ~!!」なんつって。
パリ:「いや~一仕事してきたよぉ~」って。
ナオ:「それが不思議なんだ。手ごたえが無いんだよぉ~」って。
パリ:それでも「よくやった!」ってほめてくれるのが「春ちゃん」だから。
ナオ:そうそう。気持ち良く歌って「ヨイショー!」の掛け声で解決です。
パリ:あの場所にあの店があって本当に良かった。

ナオ:それで、我々がいよいよ楽しくなって飲んでたら、お迎えが来たんですよね。
パリ:うちら、バカですからね。帰りの時間なんか頭から抜けちゃって。
ナオ:放っておいたらずっといますので。
パリ:電気が消えてから気づく。「は、夜だ!」と。
ナオ:フェス終わってから気づくかも。
パリ:終わっても気づかないかも。
ナオ:死んでも気づかない。
パリ:カラカラカラって。
ナオ:完全に骨なのに。まだ飲んでる。

パリ:「どうせあそこだろ」って迎えにきてくれたんですよね。
ナオ:そう。宿泊先のコテージで夕食の準備をしなくてはならず、早めに会場を出なきゃいけなくてね。
パリ:けんちんさんとUCさんのお二人が「行きますよー!」って来てくれて。
ナオ:ちょうどその時、俺たちは「世界に一つだけの花」を熱唱してたんですよね。

撮影:けんちんさん


パリ:わかりやすいバカ。
ナオ:誰が歌うとかでもなく、もう店にいる客全員がマイクリレーしてね。帰る時間だっつうの!
パリ:いい加減にしなさい!
ナオ:それで迎えに来てくれた二人に「はい!歌って!」ですもんね。
パリ:ひどい。
ナオ:結果、けんちんさんがソロパートを歌ってました。一番の見せ場を。
パリ:ははは。
ナオ:「そうさーぼくーらはー!」。
パリ:歌詞がしみすぎて。本当に自分たちのことと思って歌って聞いてました。
ナオ:その場のみんなが完全にスマップ化してましたよね。ベストアクトだったわー。
パリ:スマップも、もうフェスに出れないですからね。

パリ:車に乗せてもらったら、すーっと自動的にスーパーに着いて、買い出しして、コテージについて。
ナオ:バーベキュー名人の山本さんという方が超手際よく用意してくれて。
パリ:部屋で待ってたら美味しく焼けた肉がどんどん届く。

撮影:けんちんさん


ナオ:カレーも作ってバーベキューも。シイタケ最高にうまかった。ベストアクト。
パリ:おれ、カレーの野菜切る係やりましたけど、あれも、手伝ってるとかじゃなくて「やりたいやりたい!」ってだけですからね。子供と大人ですよ。
ナオ:すごく楽しそうに野菜を切ってましたよ。
パリ:やーほんと。で、けっきょく、酔っ払ってカレーは食べられなかったんだけど。
ナオ:え!その時もう寝てましたっけ?
パリ:寝てたんすわ。それもまたベストアクトというか。
ナオ:ははは。
パリ:本当にぷつっと眠くなっちゃうんで。でも、そのおかげで夜もう一回起きれて。
ナオ:トークブースで出てたみなさんが徐々に集まってきて、佐伯誠之助さんやぼく脳さんなんかも来て賑やかでした。
パリ:深夜の飲みタイム、あれこそ何物にも替えがたい時間。

撮影:ビロくん


ナオ:待ってれば向こうから面白い人がやってくるみたいな。豪華かつ、便利でした。
パリ:網戸にカマドウマみたいな虫が一匹ひっついてて、佐伯さんがずっと「家に…カマドウマを作ったから…遊びにおいでよ」って、いい声で言ってて。
ナオ:意図がよく分からないんですよね。
パリ:少しずつイントネーションとかニュアンスを変えながら、100回くらい言ってて。
ナオ:ははは。
パリ:考えてもよくわからない。でもずっと笑ってる。っていう時間。
ナオ:シカクのたけしげさんが「さすがにあの時間は意味分からな過ぎて寝ることにしました」と、のちに回想してました。
パリ:わはは。たけしげさんが帰っていった時、「え?一番いい時間に離脱するなんて、相当眠いんだな」って思ったことを思い出しました。
ナオ:価値観の違いですね。
パリ:けど確かに何もなかったんですけどね、そのあと。

撮影:ビロくん

ナオ:翌朝、早めに起きて、大浴場行って。
パリ:パーフェクトですね。
ナオ:いやー最高なんつって。でももうパリッコさんは、その朝に帰っていって、あっという間でした。
パリ:帰りの新幹線の時間まで、3時間くらい猶予をとっておいたんですよ。松本の街を散策してみたくて。
ナオ:やりますね!
パリ:ひとりで松本の街をウロウロして、みんなも楽しんでるんだろうな~とか思いながら。それもまた良い時間でした。
ナオ:発見はありましたか?
パリ:発見だらけでしたよ!まず、ナオさんにも写真を送った、「たけしや」って、昔ながらの焼きそば。
ナオ:うんうん!

撮影:パリッコ

パリ:麺がぶっとくて、にんにく酢っていうのをかけると、まぜそばみたいな感じになって、新感覚でした。
ナオ:うまそうだ!
パリ:あと、とにかく気になる店や街並みだらけだったんですが、絶対今度寄りたいなと思ったのは、ここですね。

撮影:パリッコ


ナオ:かっこいい。“塩類鉱泉”?
パリ:大正時代の建物だそうです。松本って空襲の被害がなかったから、古いかっこいい建物がめちゃくちゃ残ってるんすよね。
ナオ:そうなんだー!これがホームページですかね。
パリ:貴重品入れそれ自体が貴重品になってる。
ナオ:ミイラとりがミイラになる。みたいな。
パリ:それの、良いバージョン「貴重品入れが貴重になる」。
ナオ:新ことわざ認定です。
パリ:認定ですね。今回は行けなかったんですが最高だろうなーと。
ナオ:ね!また行きましょうぜひ!あと、那覇の「春ちゃん」も行きましょう。
パリ:必ずや!両方!

パリ:その頃ナオさんは、りんご音楽祭2日目を堪能していたわけですよね。
ナオ:ですです!春ちゃんで午前中から飲んでました。
パリ:前日と変わらない。
ナオ:すっかりなじんじゃって。最後、ひっぺがされるように帰りましたもん。
パリ:それも昨日と同じ。
ナオ:ははは。懲りない。

パリ:全然ライブアクトの思い出話とかが出てこないけど、とにかく最高でしたね。
ナオ:最高でした!本当に呼んでもらえてありがたかったっす!
パリ:みわさんよいまつりさんありがとう~!
ナオ:ありがとう~!春ちゃんで待つ~!!
パリ:お世話になったみなさんも本当に!
ナオ:みんな~ありがとう!春ちゃんで待つ~!!
パリ:春ちゃんも待っててね~!

(おわり)

編集:スズキナオ

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酒の穴

パリッコとスズキナオによる酒の可能性追求ユニット。川面を眺めて酒を飲んだり、住宅街を散策したりするといった活動が中心。

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