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森と踊る「食べ森クラブ」の秘密をこっそり大声で公開

子育てをするにあたって大事にしていることはたくさんあるけれど、その中で、
・自然にたくさん触れてほしい
・家族以外ナナメの大人、学校や幼稚園以外の友達とたくさん仲良くなってほしい
・自由な感覚を大切にして自分で遊びをつくりだせる人であってほしい
このあたりのことがわたしは上位に入ります。

そしてわたしには、これらの願いを叶えてもらっている大切な場があります。「食べ森クラブ」といいます。この活動に参加することで、いま7歳と5歳の子どもたちは、いろんな大人と適切に心地よい距離感でコミュニケーションすることができるし、年上の子にはリスペクトを持ち年下の子には優しくお世話ができるし、あと自分たちで焚き火を起こして上手に火とお付き合いができます。公園に行くと遊具はすぐ飽きるけどまわりの自然の中に楽しみを見つけていつまでも遊びます。

いまは15人前後くらいのとても小さなコミュニティだけど、わたしは自分が理想と思う子育てをこの「食べ森クラブ」のおかげで叶えてもらっていて、それはそれは素晴らしくありがたいのです。

この記事ではその「食べ森クラブ」の活動をレポします!


食べ森クラブとは?

「食べ森クラブ」は、森と踊る株式会社の活動の1つ。森と踊るさんは、主に林業の会社で、東京・高尾の森に自分たちのフィールドを持っています。月に一度その森に集まって、森でめいっぱい遊ぶクラブです。

森と踊るさんがその土地の管理をすることに決まったとき、そこは約50年誰も手入れをしておらず、草も木も生え放題。道もないから歩くのもままならない。そんな状態から少しずつ丁寧に丁寧に手入れをされ、子どもたちでも楽しく安全に遊べるくらいのフィールドになっています。ぼさぼさの藪から、こんなに気持ちのいい風が通る穏やかな森になるまで手入れをし続けておられることに、森を訪れるたびいちいち感動。

そんなフィールドで活動する食べ森クラブに私たち家族がジョインさせてもらってから2年近く経ちました。月1回訪れるその森を自分たちの大切な場所と感じるし、クラブのメンバーの皆様とも、遠くに住んでいて時々会う家族のようなあたたかい関係になっています。

食べ森クラブでは何をするのか?

そこでどんな活動をするのかー。森と踊るさんでは、あえて、何をするかを決めていません。「活動内容を決めない」ということを決めている、に近いと思います。そのかわり、メンバー各自が、自分のやりたいことをめいっぱい森で実現できるようしっかりとサポートしてくださいます。

森に10時に集合してみんなでチェックイン。そこでその日過ごしたい過ごし方を各自が場に出します。何をするかは自分次第。自分でやりたいテーマをもってきてもいいし、他の人のやりたいことに乗っからせていただくもOK。森を荒らすようなことでなければ本当に何をやってもよく、その日の参加者の気持ちで活動内容を決めるのが食べ森のスタイルです。

例えばどんなことをしているかというと・・・

これは4月の様子。タケノコを掘って焚火でゆでたり焼いたりして、春の森の恵みをみんなでいただきました。

この日はある4歳の男の子が朝のチェックインで「ブランコを作りたい」と。そこからロープを木に通して、丸太をくくりつけ、みんなで遊べるブランコができました。

こちらは通称「森のシェフ」。森でこんなもの食べられちゃうの??というお料理をいつもふるまってくださいます。この日のシェフのメニューはステーキとスパニッシュオムレツ。1枚2500円(!)の高級なお肉と、具沢山のオムレツはそれはそれは絶品!

どうですかこのシズル感・・・!

他にはこんなことも。
・畑の手入れをしてバジルやオクラなどの夏野菜を植える
・野イチゴを両手にいっぱい収穫してみんなで食べる(斜面いっぱいに広がる野イチゴ。植えたものではなく自生したものと聞いて感動しました)
・焚火でとうもろこしやさつまいも、じゃがいも、マシュマロなどを焼いて食べる
・贅沢に、お昼寝!
などなど・・・・

そして私のお楽しみは、いつも生のコーヒー豆を持ってきて焚火で炒って、その場で挽いてコーヒーを淹れてくださる方がいらっしゃり、そのコーヒーをいただきながら焚火を眺めている時間。

あーーーこんな豊かなことあるだろうか・・・

という気持ちにいつもなります。

リアルな話をすると、この食べ森クラブの活動はもちろん無料ではありません。家族参加で年間12万円、個人参加で年間6万円。額面だけ見ると、おっ、と思う方もおられるかもしれません。でもお金で買えない、プライスレスな魅力が食べ森にはたくさんあるのです。

食べ森の魅力1 ~大人にとっての、自分の休日~

子どもがいると、どうしても子どもが喜ぶことを優先に休日の過ごし方を決めてしまうことってありませんか?うちは結構そうなりがち。でも、大人だって、自分のお休みを満喫したい!と思うことも正直あります。

食べ森では、個人参加で来られている大人もいるし、小学校高学年・中学生くらいのお兄ちゃんお姉ちゃんもいて、うちの子どもたちは基本的にはそんなみなさんと遊んでいます。その間私は、焚火を眺めながら大人との会話を楽しんでいたり、木の皮をむいて積み木づくりをする人を手伝っていたり。夫は、畑で農作業をしていたり。

食べ森クラブに参加し始めた頃は子どもたちもまだまだ小さくて、こんなふうに自分の過ごしたいように過ごせる日曜日ってあったっけと、とてもありがたい気持ちになったものです。

食べ森の魅力2 ~ナナメの関係~

親たちが自分の休日を楽しんでいる間、子どもたちはお兄ちゃんお姉ちゃんと遊んでいるわけですが、この、ナナメの人間関係がすごくいいなあと思っています。

お兄さんにいつも群がって離れない子どもたち。

森のシェフにお料理を教えてもらって、気付いたら包丁デビューをしていたうちの長男。

小学生のお姉ちゃんの背中にそっと手をそえてブランコで遊ぶ次男。

普段の幼稚園や家族との日常とはまた違ういろんな年齢層・いろんなバックグラウンドの人たちとのかかわり。そのことがきっと子どもにも大人にも豊かな心を育んでくれると思うのです。

食べ森の魅力3 ~受容とチャレンジ~

のこぎりで竹を切る、小学生の男の子。日常では、子どもにのこぎりを持たせるのはちょっと怖い。でもここには森の仕事のプロもいるし大人の目も多いので、ちょっと背伸びした経験もさせることができます。

そして自由なチャレンジを応援できるのは、何をしてもいい、というおおらかさがあるからこそ。子どもも大人もフラットに、みんながやりたいことを応援しよう、なんでもやってみよう、という空気があります(世界がこんな価値観でできていたら、戦争だって起きないんじゃないかと思うほどの世界平和がそこにはある)。

ちなみに、何をやってもいいのだから、森で1日中ぼんやりする、何もしない、という選択ももちろんOKで、わたしもよくそうしてぼーっとしています。

大人になってもきっと忘れない、森時間のこと

今では子どもたち自身が毎月食べ森の日を楽しみにしています。子どもたちに、食べ森の何が楽しい?と聞いてみたところ、焚き火するのと、たけのこほりと、あとは友達!との答えがかえってきました。もう7歳と5歳だから、きっと大人になっても、食べ森の愉快なお友達と森で遊んだことは彼らの大切な思い出として残ることでしょう。

食べ森クラブのこと、もっともっと知りたい!な方は、もしよかったら森と踊るさんの食べ森クラブの紹介記事もぜひ見てみてください!時々体験会もやっているのでそんな機会にはぜひ森に遊びに来てくださいね。ぜひ、森で会いましょう!


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