2月18日(日) 夜明けのすべてと共にいること

※映画「夜明けのすべて」ネタバレあり

9:00夫とチームコーチングを受けた。第三者に入ってもらって夫婦の問題に向き合う時間は、ふたりで感じる居心地のよさとはまた違う心地よさがある。今日は夫に見守られながら主に私の話を聞いてもらった。私は自分の価値を稼いでいるお給料と結びつけてしまう。保育士の仕事には誇りももってるし、溢れる思いもたくさんあるし、何より命と心を預かっている重みがある。だけど、お給料だけで見るとなんてしょうもないんだ…と思う。


「保育士さんはもっとお給料をもらっていいはず」という声が何年も何年も聞こえてきてありがたいと思いつつも実際のところは何にも変わらなくて諦めも出てくる。保育士を辞める理由の一つに年収を上げたいという思いもある。悲しいし悔しいね。こんなに素晴らしい仕事なのに。溢れる思いを話しながら泣けてきた。最終的にはランジャタイの国崎のように芸のために全財産を使い果たし、人に迷惑をかけながら過ごしたいという無責任な夢を話した。そして、私の価値はお金と結びついていないことを力強く叫びたくなった。私は私なんだよ。

とりあえず今日も生きている。カフェに行こうと思ったけど並んでいてすぐに入れなかったのでパン屋さんで好きなパンを買って公園を目指した。しばらく歩いた時に焼きたてメロンパンを買ったことを思い出して慌てて袋から取り出す。焼きたてを食べなくてどうする。焼きたてのメロンパンはほあほあで持ってるだけでぺちゃんこになってしまいそう。夫と分け合って食べた。甘くて甘くてほあ〜と消えていくので最後の一口を食べた後、ほんとうにメロンパンを食べたのか疑っていた。甘い空気でも食べている気分だった。

公園で遊んでいる子どもたちを眺めながらバインミーを頬張る。木の棒で石を叩き、今度は地面に落ちている小石に石を叩きつける。時々少し離れているお父さんをチラッと見る。お父さんはスマホを見ている。また石を木の棒で叩きはじめる。誰かが誰かに視線を向けた時の心の中をよく想像する。子どもからの視線に気付くタイミングが遅くなった時はよく後悔する。何も言わなくてもよくて、ただ自然と目が合ったらにっこりしたい。そしたら子どもたちは何かを話し出したりするから。

自宅のソファー。15分のお昼寝は、たいてい15分では起きれなくて3時間程の睡眠を与えてくれる。そうなる未来なんて予想できてたから問題はない。

クッションによだれを垂らし、夫に起こしてもらい映画『夜明けのすべて』を見に行く。私は上白石萌音に似ているとよく言われるが、上白石萌音が演じる藤沢さんの言動も私に似ていてあらあらあら…と思う。自転車のベルの音が聞こえてはっと思いつくところや、悪気なく余計な一言を言ってしまうところや、店員さんにもプラネタリウムをオススメするところや、人への思いはあるけど案外ドライなところや、歩きながらみかんを食べているところなど。夫も同じことを言っていて笑った。

私もホルモン剤を飲み始めたきっかけが生理前の情緒不安定が原因だったから色々重ねて入り込んでしまった。山添くんがイライラしている藤沢さんを連れ出し一緒に洗車をする場面で突然涙が溢れた。イライラする私とただただ共にいてくれる夫の姿を思い出した涙だった。共にいることはそう簡単にはできないと思っている。相手を理解しよう、丸ごと受け入れようという思いの力強さが柔らかい空気に変わってそこに漂っているのかもしれない。帰り道は足音や服がこすれる音、エンジン音や風の音に耳を澄ませながら歩いた。普段より音の角が取れているようでとても柔らかく耳に届いた。

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