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ストーリーで買い物するのがたまにとてつもなくめんどくさい 2023.01.23

私はモノを選ぶのも買うのも好き。そのためにいろんなことを調べたり試したりするのも基本的にはいとわないタイプだ。というか、一般的な人よりも執拗に調べまくる人だと思う。

だけど、定期的に、モノについての情報や背景をいちいち全て調べて買い物しなきゃいけないかのような雰囲気が全部、一気にめんどくさくなることがある。

モノについての情報が溢れているここ数年のインターネットは、なんだかよくわからないプレッシャーを私に与えていく。知識としてよく知らないもの、言葉として語れないものは「好き」と言ってはいけないかのような気持ちにさせる。そのプレッシャーはいつのまにか蓄積していって、そしてある時、「うるせーーーー!!!」ってなってしまうのである。今がちょうどそんな気分なので、特に結論はないけどつらつらと書いている。(ちなみに具体的に何かの出来事があったとかではないです、本当に単なる気分の話)

あれこれ情報を追いかけるのもいいけど、直感的にこれかわいい! という衝動に従って、外側のときめきだけでモノを選んだっていいじゃない、とも思うわけです。
私のインテリアコーディネートはその傾向が強くて、まず見た目のときめき最優先。他のものとのバランスを考えたときに視覚的に調和するかどうかのほうが大事で、ブランドとか機能はあとから問題がないかを確かめていく、というスタイル。

ここまで視覚優位でコーディネートするのはおそらく少し亜種ならしく、本業がインテリアの人からしたら突っ込みどころもあるのだと思う。だけど、機能から選んでいる日本の普通の住宅のインテリア空間が、どうしたってあまり魅力的に思えないから仕方がない。(もっと広い視点で見たら機能やブランド起点で考えて超魅力的な空間を作っている例はわんさかあるのは知っているので、あくまで一般的に出回っている住空間やインテリア商品の話です)

もちろん、いろんな情報を調べたほうが確実だし、見た目がよいと思ったら実はブランドの権利侵害品だった、みたいなことも可能性としては結構あるので、最低限問題がないものかどうか、というリサーチは必要なんだけど。その最低限のリサーチ以上に、「素敵なストーリーをまとったものを選ぶのがイケてるから」という感情でものを探してしまうと、それはそれでシンプルに疲れると思うんだ。


なんでこんなにモノ選びに情報が重要になってしまったかというと、やっぱりSNSでいろんなものの背景が見えるようになって、見えてしまうからには失敗したくない、という気持ちの現れなのかなと思う。他の人からなんでそれを選んだの? と聞かれた時に、客観的な「良さ」を説明できる状態でありたい、というか。

情報としてのお墨付きをもらって、頭で納得して買いたい。こういう背景を持ったものだからこれはいいものに違いないんです、と言いたいという気持ち。
私にもあるしぜんぜんそれが悪いわけじゃない。
でも、なんだかその情報ばっかりに最近は振り回されている気もするし、こういうnoteやインスタなどでインテリアについて発信することで、自分もそうやって人の購買意欲を不要に振り回す側に回ってはいないか、というようなことを思ったりもする。

作り手が想いを込めて作って、素敵な志や製造工程で出来上がったものは魅力的だ。それはもう疑いようがない。でもそれ以外の、普通に作られて、たまたま縁あって自分の持ち物になった奴らにだって、よく見るとけっこういいとこあるじゃん、って思えたほうが幸せかもなって考えている。

どこからどう見てもスキのない完璧なものだけを選ぶのでもなく、だったら適当に100均のものでいいじゃん、みたいな極端な話でもなく。
その中間くらいで日常に溶け込む最適なものを選ぶやり方があってもいいんじゃない?
たまたま目の前に現れたものに、自分で独自のストーリーを付与して愛していくような買い方もありなんじゃない?
そんなことをぼやぼやと思ったのでメモ的に残してみたのでした。

手の届かない憧れじゃなくて、チープでありきたりな量産品でもない。もっと確実に、的確に、自分にとっての「最適な」暮らしを作る方法を知りたい。

「ていねいな暮らし」がしたいんじゃなくて 2020.4.29

2020年の日記でも似たようなことを書いていた。

私はずっと、社会的に広く認められるとか、ブームになるようなものではなくていいから、かなり個人的でその人特有の「ちょうどよさ」に沿ったデザインを作りたい、ということを思っているのかもしれない。まだやり方はよくわからないけどね。





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たのしいものを作ります