見出し画像

紫式部

紫色は、平安時代には「ゆかり(縁)色」ともいわれ、女性の美しさを象徴するのに最もたる色とされました。

その由来は『古今和歌集』の「紫の一本(ひともと)ゆえに武蔵野の 草はみながらあはれとぞみる」という歌にあり、この「一本の紫草」にたとえられた女性をして「その女性に縁のあるものは何でも愛おしい」という意味があります。

今日の花はムラサキシキブ。花の名は『源氏物語』で知られる紫式部になぞらえています。日本の色名には、地名とともに多くの花名も使われていますが、この花のように作家の名がついてる花は珍しいですね。

それにしても秋にみる花色には、成熟した大人の気品、奥行きが感じられていいなと眺めます。そしてこの紫の実がしだれるのをみつけると、今年もここまで来たなあと思う。

10月もあと5日。きらきらした時間を思い出しては、名残惜しくもいったん目の奥に畳みます。まもなく迎える次を前して、しゃんとして。今日もいちりんあなたにどうぞ。

ムラサキシキブ 花言葉「愛され上手」

むらさきなるものは めでたくこそあれ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?