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「奈須きのこ女性説」の根拠

2回り程の昔、TYPE-MOONが同人界隈を席巻した時分に、シナリオ担当の奈須きのこ様が女性に違いない、という風説が流布しました。

私は今ではTYPE-MOON作品から離れた身のため、真相は存じ上げません。

しかし何故そのような噂が流れたか、その理由は当時から見当はついておりました。

「奈須きのこ女性説」の理由は、当時も多々挙げられていました。描写が繊細、心理の機微を詳らかに書く等々……

しかし、私が思うに、根拠は物語における「完璧なまでの合理性」にあると存じます。

「完璧なまでの合理性」という表現は、作家塩野七生先生が、「女の論理」としてお使いになったものです。男の不合理、女の合理性、そうした対立概念として、エッセイにて表現なさいました。一人の命は全地球より重いとは、その完璧なまでの合理性からして、女の論理である、という風に。

ここまでお読みくださった方なら、察しはついていると存じます。奈須きのこ様の作品は、塩野先生の仰る「完璧なまでの合理性」を有しているのです。

塩野先生の仰る「完璧なまでの合理性」を無意識に感じていたからこそ、我々は奈須きのこ様を女性だと考えたのです。

もっとも、女性説は御本人がはぐらかしていらっしゃいましたし、何故そんな断定をされたのかは、TYPE-MOONの方々も解せない様子でしたが。

尚、塩野先生が「女の論理」を説いたのは半世紀近く前ですし、「奈須きのこ女性説」が流布したのは20年以上昔です。時代も「女の論理」も、当時と現在で異なっている事は付け加えておきます。

以上です。

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