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【詩】ごっきょくにたつ


貴女は美の極北に立つ人

貴方は猛の極北に立つ人

キサマは悪の極北に立ちオマエは婬の極北に立つ

その場所から何を視る何が視えるその場所から
何が
そのどん詰まりから何が

そこはたかだか極北でたかだか行き着いたどん詰まりで
たかだか到達点であるというのに
そんな場所に居座ってわざとらしい思案面を晒し
気高そうな匂いを撒き散らしてひれ伏す愚民の頭頂を眺め
酒を啜りながらその極北で
何を視るのか
何が視えるのか

極北に先はなく後ろを向いて愚民の

頭頂を踏みゲシゲシと
あぁゲシゲシと
額から流れる鮮血が黄色の土を穢すまでゲシゲシと
踵を骨にめり込ませ陥没した骨が脳を突くまで
ゲシゲシと
極北で

高く跳ぶなら極北の先

そのどん詰まりを突き破ったその先

おかえりなさい

結跏の膝を崩し 破り
愚民の頭を踏み 破りそれでも
先にある

迷いながら哭きながらまた

美の極北のその先に
猛の極北のその先に
悪の極北のその先に
婬の極北のその先に破った

破ったその先に立つ

オマエはまたこの場所に戻り

極北で視た愚民の頭
踏み抜いた愚民の頭
極北の胡座
極北の午睡を
極北の要壁を
愚民の頭とともに踏み破り

跳んだ

詠み謳うのだ 今 さぁ 囀るがよい

愚民の頭さえ無く穢す大地を持たずただ
その虚空を藻掻き蹴り掴み懇願して
顎を涎で穢しながら情けなくだらしなく
愚かに虚空の輝きを見つめながら
それでも

踏む大地さえない虚を游ぎ極北の先

踏み抜いた愚民の骨とともに

極極を断ち やがて

極極に立つ

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