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ボクが愛してやまないこと

ボクがここ数年ずっとハマっているPodcast番組COTEN RADIO。

歴史上の人物や人類が作り上げてきた国家・経済・社会の仕組み、宗教など毎回1つのテーマを設定し、3人のパーソナリティの方々の独自の切り口で(番組名のとおり)歴史を面白く学べるコンテンツです。

COTEN RADIOは1つのテーマにつき長くて13・14話ほどで構成されており(40〜50分/話)、1シリーズ聴くだけでも結構なボリュームです。

その感想を要約するのは大変なので、毎回2話で完結するショート版であるコテンラジオSportifyオリジナルからボクのお気に入りの回の感想を残したいと思います。


マーティン・ルーサー・キングの歴史

主人公はキング牧師。
彼は、アメリカの黒人の基本的人権を要求する運動(公民権運動)を主導し、ノーベル平和賞を受賞した世界的に有名な人物です。

彼が行ったこと(バス・ボイコット運動、シット・イン運動など)を知り、かの有名な「I have a dream」の演説をYouTubeで見るだけでも彼の生き様や社会に与えた影響の大きさ、黒人差別の壮絶さを知ることができます。

ただ、放送の中では単にエモいこと、心に突き刺さることだけを取り上げているわけではなく、彼や被差別の立場にあった当時のアメリカの黒人の人達が、権利獲得のための活動を命がけで行うこととなった背景や当時の社会・政治の状況とセットで紹介されています。

現代に通ずる構造的人種差別

ほんの60年ほど前まで、自由と民主主義を掲げるアメリカで、それらの理想とは程遠い国家単位の人種差別が行われていたという事実に驚きを隠せませんでした。

その「構造的な差別」がある中で、被差別の立場にあった彼ら彼女らは声を上げることでしか自分達の権利を獲得できなかったというわけです。

また、キング牧師の尽力によって制定された公民権法で、黒人が白人と同等の基本的人権を「法律レベル」で規定されたとはいえ、現代でもブラック・ライヴズ・マターという社会運動が巻き起こるのは、「意識レベル」ではいまだに差別問題が完全には解消されていないという現実があるからです。

伝説の演説

そして、彼の活動の中で最も有名な1963年8月のワシントン大行進での演説。彼は、このように述べています。

私には夢がある。それは、(中略)かつての奴隷の息子たちとかつての 奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。
私には夢がある。それは、(中略)いつの日か、黒人の少年少女が白人の少年少女と兄弟姉妹 として手をつなげるようになるという夢である。

キング牧師自身も差別や脅迫を受け続けてきた中でこの言葉を紡ぐことができる信念の強さと愛の深さに尊敬の念を抱かずにはいられません。

絶望の中でも折れない信念、そして・・・

しかし、このような多くの人に希望と勇気を与える演説を行ったわずか1か月後、教会が爆破され黒人少女4人が死亡するという事件が発生します。

数十万人の人の心を動かす演説を行った後でもこのような理想と現実のギャップを感じさせる出来事に彼はどのように感じていたのでしょうか。そんな世間から見れば絶望的な状況にも関わらず彼は非暴力運動を続けていきます。

その後のキング牧師は、国論を二分するベトナム戦争に反対することによって社会から孤立した存在になっていき、最終的に暗殺されてしまいます。

公民権法の成立という画期的な出来事を非暴力で成し遂げた人が、暴力によりこの世から去ってしまった現実に社会の闇を感じざるを得ません。彼は、生涯を通じて脅迫を受けてきた中で、自分が暗殺されるリスクを認識していたようでそのことを周囲にも語っていたそうです。

まとめ

非暴力という手段で人間の尊厳を取り戻す活動に命を捧げたキング牧師。彼は幼少期に非常に愛の溢れる家庭で育てられ、その愛情があったからこそ、人生の最期まで自分の信念を貫き通すことができたのではないかと、番組の後半で紹介をされていました。

キング牧師のように社会や国家単位に影響を与えることはできなくても、パートナーや家族のように自分にとって最も身近な人を大切にし、世界中がお互いに人を人して尊重できる社会であってほしいと願うシリーズでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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