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メロディ作りの感覚を磨く「独りメロディ」

いろいろな歌を聴き、そのメロディを自分でも歌い、さらにはそれらも踏まえてオリジナルなメロディをたくさん作って歌うことを繰り返すとメロディ作りの感覚は必然的に磨かれていきます。

そのためにおすすめできるのが、私が「独りメロディ」と呼んでいるトレーニングです。

こちらでそのあたりについて詳しくご紹介してみます。

※当記事はこちらのポッドキャストの内容を編集/再構成したものです。


オリジナルなメロディで独り言を歌う

私がおすすめしている「独りメロディ」とは、いわば「独り言」のメロディ版のようなものです。

これは、例えば

  • 「明日は雨か…」

  • 「昼ごはんなに食べようかな…」

など、なにげなく独り言として発してしまう言葉にオリジナルなメロディを乗せることを指しています。

これによって歌うことを日常に落とし込むと、生活の中で無理なくメロディ作りの感覚を磨いていくことができます。

「さあメロディを作るぞ」と変に構えることなくメロディを作って歌うことができて、かつ独り言と同じく誰かに聴かれるものでもないため作るメロディの質にこだわる必要がない、というところがこれをおすすめする理由です。

目的は、冒頭でも述べた通り

とにかく「独りメロディ」を繰り返してオリジナルなメロディを歌うことに慣れる

という点にあります。

「メロディが上手く作れない」「いまいちメロディが思い浮かばない」などの悩みを抱えている作曲初心者のかたは、騙されたと思ってこれをやってみてほしいです。

弾き語りだけでは不十分

歌うことに慣れるという意味ではもうひとつ、「弾き語り」のトレーニングが真っ先にイメージできます。

弾き語りを通して既存の曲を題材としながらメロディを頭の中に思い浮かべ、楽器の伴奏と共にそれを歌声として口から発することを繰り返すと、

「メロディを思い浮かべる」→「歌声として発する」

という経験を何度も積むことになりますが、「オリジナルなメロディを生み出す」という点を前提とするとこれだけでは少し不十分だといえます。

メロディ作りの感覚を磨くためにはやはり実際にメロディを思い浮かべて作っていく行為が必要で、それが実際の曲作りにおいてメロディをすんなりと組み立てられる技術の土台になっていきます。

既に述べたように肩に力を入れることなくリラックスしながら気楽にやれるため、継続させるという意味でもこの「独りメロディ」は理にかなったトレーニングだといえます。

「独りメロディ」を実施するコツ

単に「独り言」にオリジナルなメロディを乗せるだけでそれが「独りメロディ」になってしまうため、そのやり方に難しい点はありません。

そのうえで、そもそも「オリジナルなメロディが出てこない」という場合には、好きな曲の一部のメロディなどを活用して、それを独り言に当てはめるようにして歌うことを第一段階として試してみてください。

これは、例えば「上を向いて歩こう」の

「うえをむーいて、あーるこーーう」

というメロディを活用しながら、

「きょうひるごはん、なーにたべよーか」

と歌うような感じです。

こうやって文字に起こすと少し子供じみた感じがしてしまいますが、実際に歌ってみると、(既存の曲のメロディを流用しているにも関わらず)それだけでもオリジナルなメロディを生み出している感覚を味わえます。

自分なりにアレンジを加える

さらに次の段階として、その「既存の曲を活用して歌った独りメロディ」の一部を、自分なりにアレンジしてみると、よりクリエイティブな感覚が強まります。

具体的には、

  • 本来は音が上がっているところを自分なりに下げてみる

  • 本来は音が伸びているところを自分なりに刻んでみる

というようなアレンジを加えてみると、作るメロディがオリジナルなものに近づいていきます。

このような行為を繰り返しながら、徐々にまったくのゼロからオリジナルなメロディを生み出せるようになることを目指してみてください。

歌好きなひとは本能的に楽しめる

この「独りメロディ」を私は上記で「トレーニング」と書きましたが、歌が好きなひとにとっては、トレーニングというよりそれを娯楽に近いものだと感じるはずです。

私が20代のなかばにメロディ作りの感覚を本気で磨きたくてやっていたときも、どちらかというと「なんの言葉にもメロディをつけてしまう癖」のようなものとして、もっと本能的に楽しみながら取り組んでいました。

だからこそ続けられたし、もっといえば「練習」とか「続けなきゃ」というような考えもなく自然とそれが身についていました。

もちろん、本格的な作曲は楽器を弾きながら、またハーモニーやリズムや曲展開などを考慮して行うべきものですが、そのための基礎技術として、この「独りメロディ」に取り組みながら根本的にメロディをゼロから生み出すことに慣れてみて下さい。

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