ビル・セットフォードのライフ・ストーリー⑬

ヘレン・シャックマンさんと共に奇跡講座の生みの親であるビル・セットフォード博士の数奇な人生について、本人が語った記事を翻訳しています。
元の記事はこちら→ William Newton Thetford, Ph.D. - Life Story • Foundation for Inner Peace: Publisher of A Course in Miracles (ACIM)



私は、科学者であることを大切にしている分、何かを否定する前に、すべての証拠を見るべきだと思ったのです。まず第一に、「これは真実でありえるだろうか?まったく不合理ではないだろうか?」という疑問がありました。しかし、資料を読み進めるうちに、ヘレンの自我がこれを書いたとは到底思えなくなったのです。それは、彼女の経歴や興味とは何の接点もなく、彼女が抽象的な考えを概念化する方法とはまったく異質なものだったのです。ヘレンの自我の部分がこんなことをするはずはなかったのです。

「これは奇跡のコースです、メモを取ってください」という声を聞いた後にノートにとったものをタイプして清書してみたところ、筋が通っていたことにヘレンは励まされました。そして、テキストが発展するにつれて、その多くがますます美しくなっていきました。何百ページにもわたって、シェイクスピアのブランク・ヴァースであるイアンビック・ペンタメーターを使用しています。それを発見したとき、コンセプトの美しさに新たな次元が加わったのです。まるで、言葉と音楽を同時に与えられたようでした。ヘレンは、この文学的なテキストにとても好感を持ちました。それは、彼女にとっても、私にとっても重要なことでした。また幸いなことに、ヘレンはこれを書き留めるのが自分の役目だと感じました。それに彼女はこの声をオフにすることができなくなったのです。止めようとすると眠れなくなったり、夜中に寝付けずに寝返りを繰り返した挙句、すっかり目を覚ますこともありました。そうすると、テキストの書き取りが始まり、そうしなければ休めないという感じだった。

そんなふうにして始まったのです。それも、おそらくパニック状態でのスタートでした。当初、私はこの資料を正確にタイプすることさえ困難で、それが誤字という形で現れてしまったのです。例えば、「救済(salvation)」という言葉が出てきたとき、「a」と「l」を逆にして「slavation(訳注:奴隷を思わせるslaveという語が含まれる)」と書いてしまったり。また、"you and your brother(あなたと兄弟) "という言葉が出てきたときには、"r "を落として "you and your bother (訳注:botherには「悩ます、邪魔する」と言う意味がある"と打った記憶がある。また、"crucifixion (はりつけ)"を "fiction (フィクション、架空の物語)"と書いて "crucifiction "にしたりと、ちょっと困ったこともありましたね。このように、書き写すことの難しさや不安など、二人でたくさんの葛藤を経験しました。でも、まずは書き留めること、そして書き留めたら、その内容を研究し始めることが大切だと思いました。

また最初に、テキストで最初に出てくる「50の奇跡の原理」のディクテーションを終えて、この原則をよく見直したとき、もしこれが本当なら、自分の人生のすべてを見直さなければならない、と思いました。私は意識をすっかり変えなくてはならないと。私にとって、これは非常に脅威でした。そんなことができるのか、と。それは、私が対処できる範囲を超えた挑戦のように思えました。一方で、正しい方向に進んでいるように見えても、この先どうなるかわからないのだから、早々に幕引きを図ろうとせず、このまま行くしかないと思っていました。自分が何を学べるかわからないのですから。しかし、これはとても大きな仕事のように思えましたし、自分がそれに耐えられるかどうかも分かりませんでした。しかし、後になって、必要なのはほんの少しの意欲であることに気づきました。準備とは、習得を意味するのではなく、単に変化への意欲を意味するのです。私は、自分にはその意志があることを認識しました。


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