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命は自分のものではない

台風9号が去ったと思ったら10号が近づいている。

9号が去って翌日、雨の止んだベランダに立ってみたら、町なかに住んでいるというのに、空気にはたっぷりと潮の香りが含まれていた。


嵐が海水を巻き上げて地上に降り注いだのだということが、潮の空気を吸い込んで肺の中から体感として伝わったとき、じぶんがこの地球の大いなる営みの中に編み込まれていること、遺伝子のずっとずっと奥にある祖先の記憶、海の中のいきものとして暮らしていた記憶、この陸の生活は海の中で起こっていることと切り離されて成立しているのではないこと、そして普段は忘れていても、実際は常に大気と潮の大きな大きな流れとうねりの中で、あらゆる情報があらゆる生き物に伝わっていることなど…それをいっぺんに全身で感じた。


大きな台風が居座っているとき、私の体は動けなくなる。

今回の台風も2日間この島に留まっていた間、ほとんどベッドの上で横になるしかなかった。こういう時とばかりに、以前から観たかった映画「クラウド アトラス」をネットでレンタルしてタブレットで視聴したら・・・すごく、すごく、ものすごーーーーーく共鳴できる映画だった!!レビューでは「一度見ただけでは理解が難しい」「長尺」とか書かれてるけど、映像も素晴らしいし、異なる時代背景やストーリーをつなげるあのリズムが信じられないほどの技術だし、全然長いと感じなかった。映画を通して伝わってきたのは、私にとってとても馴染みがある感覚。輪廻転生がテーマとも言われているけど、それよりもっと5次元的だと思う。すべては、今、ここで同時に起こって繋がって壮大な物語を編み続けていると感じている。

心に残ったことばがいっぱい散りばめられていた。「命は自分のものではない」「不滅の魂の本質は我々のことばや行いによって決定され、そして因果の中で我々は永遠に生き続ける」

個を超えた命の全体性を信じるものと、「階層と序列」の世界観を固持し、文字通り「人を喰らう」ものとの間で織りなされるストーリー・・・

ソルジェニーツィンについての言及が何回かされていて、興味を持ったので早速図書館で「収容所群島」を借りてきたよ。数ページ読んで「えらいことになった!これを人生で読む機会を得てホントに良かった!」と感じているところ。これ読み進める間に、きっと、私の生き方、人生に向ける眼差しが何だか物凄く変容してしまうはず。まだ数ページめくっただけだけど。超長編、ぜんぶ読めるかな。

映画の原作者は三島由紀夫の「豊饒の海」にインスパイアされてこの物語を書いたらしい。未読だったので、それも挑戦しなきゃと思っているが、読みたい本がどんどん積み重なっていく・・・






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