ヘレン・シャックマンさんと共に奇跡講座の生みの親であるビル・セットフォード博士の数奇な人生について、本人が語った記事を翻訳しています。
元の記事はこちら→ William Newton Thetford, Ph.D. - Life Story • Foundation for Inner Peace: Publisher of A Course in Miracles (ACIM)

今回、いよいよコース誕生の現場にやってきました。そしてビルの類稀な才能にも彼自身の言及があります。やっぱりビルがいなかったらコースは存在し得なかった！

第2部

ヘレンが再びこの内なる声を聞いたとき、それははっきりと、彼女自身の声でないことは明らかでした。ヘレンは研究心理学者として自負していたが、声を聞いたり、視覚的なイメージが高まったり、1965年の夏に起こったこれらすべての心霊現象を経験したことに関しては、自信がなかったのです。それは、彼女にとって非常に苦痛なことだった。自分がおかしくなってしまったのではないかと、ずっと感じていたのです。確かに、彼女はこうした出来事と、自分の科学的な傾向とを調和させることができなかった。

夏が終わり、初秋になると、この問題は彼女にとって特に深刻になりました。ある晩、10月に入ってから、彼女は私に電話してきてこう言いました。「ねえ、内なる声が消えないのよ。『これは奇跡のコースです、ノートを取ってください』と言い続けてるの。どうしたらいいの？気が狂ったかもしれない。意味不明なことを言うかもしれない」と。彼女はその時、明らかに大きな苦悩と苦痛を経験していたのです。私は、ただ一つ、当たり前のことを言いました。「それが何であれ、書き留めておいたらどうかな？明日の朝、オフィスで私にそれを読んでみてくれ。もしそれが意味をなさないのであれば、他の誰にも言う必要なんて無い。でも、少なくとも私たちはそれが何であるか理解できるはずだ。」というわけで、私たちはそうしたんです。翌朝、ヘレンがやってきて、「テキスト」の美しい序文を読んだ。そこにはこう書いてあった。

「実在するものは何も脅かされない。実在しないものは存在しない。ここに神の平和がある」

それがどんなに予想外だったとしても、私たちが狂気とは思えない何かにチューニングしているのは明らかだった。

ヘレンが心霊体験に怯えたとき、また「プロジェクト」が進むにつれて他のことに怯えたとき、私の役割は彼女をサポートし安心させることでした。私は、ある種の心霊体験は、以前、自分のアパートを見つけた時のように、現実のものとして信じていました。そのような体験はほかにもあったんです。大学院で博士号を取っていた頃、"なぜ自分はこんなことをしているのだろう "と自問自答したとき、とても明快な答えが返ってきたことがあります。「何年も経たないとわからないけど、わかった時はものすごく幸せになれるよ」。私はそれを受け入れました。奇妙なことに、私の中には内なるコミュニケーションという考え方に馴染んでいる部分がありましたが、それをどうすればいいのかよく分かりませんでした。私がいた学問的な場では議論されるようなことではなかったので、ただ脇に置いておきました。否定はしませんでしたが、説明もしませんでした。私にとっては、そのようなことは頻繁に起こっていたので、ヘレンの体験にまったく驚かなかったのです。振り返ってみると、似たような、奇妙な出来事で、説明のつかない体験がたくさんありました。

だから、ヘレンが内なる声を聞き始めたとき、それが彼女の作り話でないことは分かっていたんです。注目を集めようとするあまり、ヘレンは自己演出をする傾向が強かったのですが、これはそれではないと思いました。そういうカテゴリーにはまったく当てはまらない。これは正真正銘のものだったんです。彼女はそれを怖がりながらも、自分の考えにはない真正性を持っていると認めていたのです。しかし、その声が説得力があったにもかかわらず、彼女は実際、その内容に関して無関心でもありました。また、ヘレンは、一部の人が考えるのとは逆に、彼女が聞いたのは彼女の外から来る声ではなく、実際は自分の心の一部であり、それは通常の彼女のエゴ意識や意識とは明らかに別のものだったのだ、と言っていました。そして、「奇跡のコース」を書き留める際、それをまるでテープレコーダーのように自由にオン・オフでき、注意深く耳を傾けてノートに速記するだけで良かったのです。それは外から聞こえてくるようなものではありませんでした。ただ、非常にはっきりとした思考の印象が伝わってきたのです。コースは予想もしない形でやってきましたが、私はこれを、他の方法があるに違いないという私の疑問に対する答えと考え、それを見つけようと決心したのです。

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