見出し画像

エネルギーまちづくり塾を受講してみた!⑤

完全にルーティン化してきました!良い傾向です。最後まで楽しく書いていこうと思います!
前回は戸建て住宅の新築編でしたが、今回は共同住宅の新築編です。

共同住宅の特に賃貸の場合って、断熱することによるコスト上昇と、光熱費が安くなるメリットが受けられない(住む人にメリットがいっちゃう)など、オーナーにとってのうまみがないので、どうやって断熱を進めていくのかなと個人的に疑問だったので、面白い回でした。

1 共同住宅ってどのくらいあるのか

新築の住宅のうち、いわゆる戸建てが約5割強、共同住宅が約4割となっています。約半分は共同住宅なので、戸建て同様、共同住宅も断熱性能を上げないと脱炭素には到底届かないわけですね。

平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要より

そして、共同住宅の場合、分譲と賃貸という形態の違いが出て来ます。戸建てを貸すために建てるってなかなかないですが、共同住宅を貸すために建てるは全然あり得て、つまりそれは賃貸"事業"ということです。事業になるとコストを回収出来るかという部分が重要度を増すわけで、オーナーからすると、法律を満たした上で最低限のスペックで低コストで建てるという思考になりがちになるということです。約半分もある共同住宅の断熱化は戸建てに比べると進まない要因が増えるわけですね。

2 共同住宅に求める価値について

みなさんが住む場所をはじめて自分で選んだのはいつですか?私は大学生になってウキウキの一人暮らしを始めるとき。たぶん、多くの方が大学生や社会人になったときの一人暮らしとかがはじめてではないでしょうか。そして、おそらく賃貸の共同住宅とか寮とかですよね。つまり最初に選ぶ暮らしの空間が共同住宅ということです。選ぶときに何を重視しましたか?私は確か家賃と立地と間取りだったような気がします。ちょっとググってみたら面白いのがありました。

大きく分類すると立地とか間取りとか設備的なものとか、スペック的な要素が多いです。意外にも耐震性って入ってないです。でもそれってたぶん当たり前だから。じゃあ断熱性は?今のところ当たり前だから入ってないわけではなさそうですね。話がちょっとずれましたが、スペック的なものの先にあるどのように暮らせるか、どんな暮らしがしたいかみたいな価値って、ちゃんと考えていなかったように思います。私の場合、共同住宅ってなんとなく一時的な住まいみたいな感覚があって、そういったところまで考えないで決めてきてしまっていたなと。子供の頃も賃貸住宅だったし、高校くらいに実家は分譲のマンションに引っ越したし、一人暮らしし始めてから家族を持った今でも賃貸アパートです。何だかんだ人生のほぼほぼを共同住宅で生きてます。そう考えると、共同住宅も断熱性能が高いのが当たり前で、我慢をせずに健康で豊かな暮らしが出来ることってちょー大事な価値な気がします。そうすれば次のステップで住宅を所有するとなっても、それまで住んでいた暮らし以下の暮らしなんて選びませんよね。

3 環境先進国ドイツと日本の違い

めちゃめちゃ断熱性能の高いパッシブハウスというものがあって、それはドイツで生まれました。環境先進国の上位とも言われています。もちろんそんなドイツも今の日本のように建築物の省エネ化が中々進まない過渡期を経て来たはずです。じゃあなぜ、ドイツでは省エネ化が進んだのか。ドイツのエネルギー自給率は約4割弱とのこと。決して高い数値ではありません。ちなみに日本は1割もいってないですね。

主要国の一次エネルギー自給率比較(2017年) 資源エネルギー庁HPより

そういったところから、論理としては、他国からエネルギーを買うために莫大なお金を払うよりも、補助金として建築物の省エネ化にお金を払う方がエネルギー消費を格段に減らせて、国としての自立という観点から得策だと判断し進めてきたということです。合理的というか、すげーすんなり理解できます。日本はどうでしょうか?たぶん、大事だよねというとこまではなるんだけど進んでいない印象です。日本だとよく、個人の資産に補助金をだすことはいかがなものかという論点が出るようです。そんなこと言ってないで、エネルギーという生活のインフラを他国に依存し、国際情勢に左右される(自国でコントロールできない)不安定な今の現状を改善する方が国民のためではないか?と思ってしまいます。日本って色々なものを輸入に頼ってきた歴史もあってか、あまりその辺の危機感が薄いようにも思えます。
それと、ドイツは集まって住むことが結構当たり前に文化としてあるようです。それぞれの世帯がそれぞれ戸建てに住む、そしてそれがなんとなくゴールみたいになってる日本の文化とはまたちょっと違いますね。

4 共同住宅の断熱化のポイント

共同住宅の断熱化のポイントは、分譲の場合は"事業者"、賃貸の場合は"オーナー"が肝だと思いました。これは当たり前のことですが、改めて感じたところです。戸建てとの大きな違いは、共同住宅は作る人と住む人が違うというところなので、作る人、つまり事業者やオーナーへのメリットがないといくら脱炭素にいいからと言っても難しいということです。つまり、シンプルに売れるのか貸せるのか、です。ただ、断熱化すると住まい手にはメリットしかないので、多少価格や家賃が高くても売れるし貸せるということです。それがまだ事業者やオーナーに浸透していないだけ。もう少しな気がします。一番の近道は、買う側借りる側である住まい手が変わることです。さあ、みなさん、こんな断熱性能の家住めませんよと言えるように正しい知識を知りましょう。笑

5 面白かったこと

なぜ断熱化すると売れるし貸せるのかというところにも繋がるのですが、オーナーにとっては空室率が下がる、つまり空き部屋となる期間が少なくなるというメリットがあるということが面白かったです。オーナーにとっての不安材料は建てたはいいが、空き室になるのが嫌だというところかと思いますが、断熱をすることでそれが少なくなるという訳です。ちょっと古いですが、実際に賃貸住宅の不満には、選ぶ際に気にするスペック的なものへの不満よりも、住んでわかる遮音性や断熱性などの暮らしの環境的な要素への不満の方が多いようです。

https://www.lixil-jk.co.jp/pdf/150630chintai.pdf

こういったところからも断熱性能を上げることは住む人の満足度を上げ、結果的に空き室になる可能性を下げることになるというわけです。
最初に選ぶ暮らしの空間である共同住宅こそ、我慢の必要ない健康で豊かな暮らしの空間であることが大事ちゅーわけですね。

今回もだいぶ長くなってしまいました。簡潔に書くって難しい。泣
ちなみに共同住宅に住みまくってきた私ですが、これまでハズレなく暑く寒かったので、今進めているいえづくりではしっかり断熱しようと思っています。笑
いえづくりの方も少しずつ発信してますので、こちら↓もぜひフォローよろしくおなしゃす!

穀町〜邸・亭・庭〜 welcome to our house

また、次回!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?