見出し画像

町のごみ処理について、根掘り葉掘り聞いてみた

環境問題に関心のあるメンバーも多いさくほ通信club。
「町のゴミ処理がどうなってるのか知りたい!」という声があがり、勉強会を開催しました。

結構細かい? 家庭からのごみ出しルール

まずは「佐久穂町 家庭ごみの分け方・出し方ポスター」を参照しながら、町役場の市川智英さんに基本的なごみ出しルールを説明してもらいました。

画像1

私は、移住当初こそ「これは何ごみ?」と分別ポスターをしょっちゅう見ていましたが、最近はだいぶ慣れました。
しかし、今回久しぶりにポスターを見直して「そうだったのか!」と気づいたのが、「皮革類」としてに革製でない長靴、スキー靴、スリッパなども出せることです(可燃ごみや不燃ごみに出してた!)。

町の清掃センターでは、家庭から集めたごみをさらに細かく分別!

家庭から出たごみがどうなるのか、その行方を詳しくお話してくださったのが、須田秀俊さんです。

画像2

須田さんは、町役場で長年ゴミ処理関連の担当をされた後、現在は佐久穂町清掃センターにいらっしゃいます。

家庭から回収したゴミを最初に仕分けするのが町の清掃センター。
ゴミの種類によって様々な処理業者に引き渡し、そこからリサイクルされたり燃やされたり、埋め立てられたりします。

画像3

上の図は、7月に行われた「移住者交流会(ゴミ編)」の資料です。

リサイクルするには、汚れたものを取り除き、同じプラでも素材別に分けるといった細かい作業が必要。

須田さん曰く、この業界は細かい分別の手間が後工程の業者さんに押し付けられていく(つまり、いろいろな異物が混入したまま次の業者さんに渡す)ようなことが起こりがちとのこと。そんな相互不信の文化をなるべく持ち込まないよう、町の清掃センターではできるだけの分別をしてから次の業者さんに渡しています。

ごみ袋の中には、スプレー、ライター、アスベストを含んだ製品などの危険物もあり、事故につながらないように、処理する人の健康被害が起きないように、いろいろと工夫しながら残っている中身を出したり、素材別に分解したり……。これらの作業をすべて手作業で行っていて、シルバー人材センターの方々が活躍されているそうです。

家庭でも意味のある分別をしたい!けれど・・・

なお、上の図でも分かるように「プラスチック製容器包装」は町の清掃センターでの分別は行わず、家庭から回収したものをそのまま業者に引き渡します。

「容器包装のプラってどこまで洗って出せば良いの?」と質問すると、それは処理する業者がどんなリサイクル方法を取るかによる、どんな業者に渡るかはその時々の法律や社会情勢、技術の変化にもよる……などの事情もあって、一概には言えないのだそう。

また、プラに限らず、「このごみをどの分類で出すと、効率的にリサイクルやリユースがされるか」という話も、その時々の状況によって変化しています。その変化に合わせてごみの出し方のルールをころころ変えても住民の理解が追いつかないので、実際とルールに齟齬が生じている部分もある……というぶっちゃけ話もありました。

ごみを出す側としては、せっかく分別しているのだし、清掃センターの方々の手間も軽減したいし、環境に与える影響もなるべく少なくしたいから、実態にあったルールに変えてほしいなぁと思います。

でも、あまりルールが複雑だとそもそも守られないものになってしまうのも分かる。難しいですね……。

難しいけれど、ごみを取り巻く状況は常に変わっているのだという理解のもと、学び続け、「これでいいのかな?」と考えることが必要だなぁと、感じました。

それと、プラスチックや金属にもいろいろな素材があり、それが混ざり合っていたり、汚れていたりして、リサイクルに回せる割合って意外と少ないということも分かりました。そもそもゴミを増やさない生活が大事ですね。

画像6

画像7

勉強会は参加希望者が多く、平日と週末の2回開催しました。2回とも熱く講義をしてくださった須田さんに大感謝です!

このあと、ごみの行方を追うツアーも!?

このnoteのタイトルは「根掘り葉掘り聞いてみた」としましたが、実はこちらが根堀り葉掘りする以上に、須田さんがものすごく詳しく教えてくださり、本当に勉強になりました。

奥が深いごみ処理の世界をもっと知りたくなったメンバーとは、「実際に清掃センターを見てみたいね」、「町から引き渡す業者さんの方にも話を聞いてみたいね」と盛り上がりました。

そう遠くない将来、町のごみの行方を追うツアーのレポートもできるかもしれません!

画像4

画像5

公民館でお話を聞いた後、町の障がい者福祉施設「陽だまりの家」に行き、食用油と一升瓶・ビール便の回収、その油で作っている液体洗剤について教えてもらいました。洗剤は襟元の汚れやシンクの汚れ落としなどに良いそうで、一本購入してみました。

(さくほ通信club編集長/佐久穂町在住フリーライター やつづか えり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?