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『ヘアアイロンに寄り添う』

中学生になった娘が
ヘアアイロン買ってきてと言った

入学式の前に髪をショートにしたが
イメチェンもさることながら
美容室から帰ってきたその姿に
女の子が大人の女性に変わろうとする様を見て
家族みんなが感嘆した

けれど次の朝
起きてきた娘は
昨日とはうって変わった姿
髪の毛が・・・

髪の毛が好き勝手にうねっていた
人の印象って髪の毛でこんなにも変わるんだと
改めて知った

と同時にそうした癖毛があることを
親目線で同情した

そしてヘアアイロンの申し出
「当然買った方がいい」という気持ちが湧いた

が、また同時に
施設の寮で一緒に暮らしていた
女の子たちのことを思い出していた
ストパー禁止のルールだ

施設には様々なルールがある
私がいた施設に来る非行少女たちは中学生で
早く大人になろうとしている子が多い

男の子を意識した装飾や化粧、髪形
肌の露出度合い等に余念がなく
だから規則の隙間をぬって
あの手この手でやろうとする

その中の彼女たちの一つの要求に
ストパーがある

純粋に癖毛を直したいならよいが
実に上手に男子や職員までも
困惑させるようなアイロンの使い方をする

だから色仕掛けにつながるようなもの
施設に来た意味を取り違えているようなものは
ルールで禁止する
つまりヘアアイロンも禁止となっていた

だが、昨日の娘のことは
親の立場からヘアアイロンを考えさせられた
恥ずかしい思いをさせたくないという
我が子かわいさ目線の感覚だ

それでもやはり
その施設での単純な使用は
問題を引き起こすとは思うので
吟味が必要という立場は結局変わらない

しかし、娘の件や
最近ニュースで取り上げられる
変わった校則のことを考えると
「常に」いろんな角度からの
検証が必要だと考えさせたれた

教育や支援とは
「寄り添う」ことがキーワードと
確信していても
まだまだ「寄り添う」ことの本質を
理解できていないとつくづく感じた

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