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千葉の虐待事件と私たちの気持ち

千葉の虐待事件 児童相談所の対応が検証されている でも それはどんな意味をなすのだろう こうした問題に直面して問われるのは 私たちの助けたいと思う気持ちのあり方 ではないだろうか 人を助けたいと思う気持ちは 助けたいと思う人のものであって 誰かがその人の代わりに 思うものではない 押し付けるものでもない だから 誰かに任せたのであれば 助けたいと思う気持ちを託すしかない のではないか こうした事件を本当に無くしたいと思うなら まずは自分は日々何をしてきたかという立場

    • 教え子からの連絡

      2人から立て続けに連絡が入り 嬉しかった 一人はもう卒業して20年がたつ 紆余曲折があり 昨年、突然会いに来てくれた 『会いに来れるようになってからと思って』 それが20年かかった理由 身に覚えがある 私も高校の恩師に会いに行くのに 正に20年かかった 会う自信がつくまでそれほどかかった 男だからでもあるんだろうか 颯爽と高級車に乗って現れた そんな彼が元いた施設の後輩たちに 退院後の人生を語ってくれた 子どもたちは、いや同席した大人も感動した 経験に基づく話に

      • 「ごく普通」の難しさ

        ただごく普通に接してもらえただけで人は変われる しかし、その「ごく普通に」が社会においては難しい ともに過ごすことになった知的・聴覚障害を持つ利用者さんは 窃盗問題 性の問題 お金への執着の問題 を抱えていたが、たった3か月で嘘のように全ての問題が無くなった 同時に家庭内反発も 日常において私たちは いったいどのくらい他人のことを気にかけているだろうか 話したい人と話し、興味のあるものへと近づく 苦手なことは敬遠しする 奇異な行動に対しては不快を露わにすることもある

        • 土下座の理由は

          ◆ミキとの出会い ミキは中学2年で施設にやってきた。両親は幼いころに離婚、母は夫を3度もかえ、転居が多かった。新しい義父との家庭となるたび、気をつかう窮屈な思いを繰り返した。 だからミキは転校に次ぐ転校で、なかなか友達ができなかった。また、弟が障害を持っていたため、母は弟にかかりきりとなり、ミキにはあまり手をかけてこなかった。ミキの心は幼いころから孤独だった。 保育園では落ち着かない子と言われ、小学校ではいじめを受けた。学校も家庭に相談を持ちかけていたものの、母は弟のこ

        千葉の虐待事件と私たちの気持ち

          『ヘアアイロンに寄り添う』

          中学生になった娘が ヘアアイロン買ってきてと言った 入学式の前に髪をショートにしたが イメチェンもさることながら 美容室から帰ってきたその姿に 女の子が大人の女性に変わろうとする様を見て 家族みんなが感嘆した けれど次の朝 起きてきた娘は 昨日とはうって変わった姿 髪の毛が・・・ 髪の毛が好き勝手にうねっていた 人の印象って髪の毛でこんなにも変わるんだと 改めて知った と同時にそうした癖毛があることを 親目線で同情した そしてヘアアイロンの申し出 「当然買った方がい

          『ヘアアイロンに寄り添う』

          『子育てはさせてもらっている 親にならせてもらっているのではないか』

          ある義父の努力の話がある 再婚した相手には幼い男の子がいた 父親のように慕ってくれた ある日友達に「僕の父さん」と言ってくれた 接し方はわからないながらも その後授かった実の子よりもよいものを買い 喜ばせるために遊びにも連れていった 一方、学校では知的障害もあることで いじめが頻繁にあった 思春期を迎えた頃 子どもが実の父でないという真実に気づいた そして大きなショックを受けた 親には決して言えない大きなショックだった 気づいたであろうことは薄々わかっていた それで

          『子育てはさせてもらっている 親にならせてもらっているのではないか』

          『なんで先生はすべり止めを勧めんのかなあ』

          なんで先生はすべり止めを勧めんのかなあ これは大学受験をひかえた 息子が言った言葉だ 今のところ彼の成績は 志望校のそれには難しい状況らしい 受験間近の懇談で 先生が 当然 すべり止めの話を切り出したわけだが それは考えていないと言ったら 驚かれたという 先生同様 正直 親として心配してしまったが 妥協した選択はしたくないからと言われ 我が子ながら自分で考えているんだなと 納得させられ 信じてやらねばと反省した 非行少年たちをあずかり伴に暮らしていた頃 毎年この時期

          『なんで先生はすべり止めを勧めんのかなあ』