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花との思い出


祖父と梅の花

一番古い花の思い出は
祖父と梅の花かな。
小さい頃
祖父とのお散歩、遊び、
日常のほとんどを過ごした梅林。
梅の香りに包まれて
木登りも。
クレヨンで写生もよくしたなぁ。
梅林のブランコで夕焼けを背に
ギーッ、ギーッと母の迎えを待った。
梅の香は祖父との思い出。





母と薔薇

子どもの頃、横浜の高台にある家には
白い木の柵と玄関アーチ、
それを這うピンクの蔓薔薇。
母は花びらが散ると籠に集めて
日向に干して可愛い袋に入れて
肌着ダンスにいれてくれた。
私の肌着はいつも薔薇の香りがしていた。
ジャムや砂糖づけもつくってくれました。
エリザベートのスミレの砂糖漬けにもまさるともおとらない。
当時はハーブみたいな虫除けを使っていたので花びらは食べられるたようです。
母はいつもトイレに
沈丁花かフリージアを挿していましたね。
私もたまに真似していますが。
密室は良い香りになります。





蓮華畑で

父の仕事で転居した地には
まだ、レンゲ畑が一面に広がっていました。
レンゲ畑にころがり雲雀がにぎやかに鳴きながら飛んでいるのを見るのが好きでした。
レンゲの花を編み込んで、首飾りや
冠をつくって遊んだわ。
そういえば、習いたての自転車で
凸凹道からレンゲ畑に飛び込んで
怪我をしました。隣のお兄ちゃんと
二人乗りで。




一輪の花

高校時代、女子の少ない進学校だったので
先輩と茶華道部をたちあげました。
外部から先生を招いて。
私は個人的にもお稽古していて
のちには華道の教授資格まで頑張りましたが
花は自然に咲いているのが一番美しいと
いつも思っていました。
大物でなく茶席の花みたいな飾り方がすきです。一輪でも凛としているような。
茶道は裏千家。帛紗は赤で
左道具の扱いが表千家とは違います。
あ、琴も。爪の尖った山田流。
昔はこれプラス書道を身につけたものでしたね。





小さな高山植物


大学時代に登山にはまり、あちこち登ったものでした。はしりの山ガール。
唐松岳から五竜岳への牛首キレットの岩場の割れ目に咲いていた白い花を鎖ごしに見た時に頭の中をつきぬけるような感動をしたのを覚えています。厳しい環境の中で健気に誇らしく咲いていた小さな白い花に圧倒されたのを懐かしく思い出します。


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