見出し画像

こうなったら着物屋やるか!

こんにちは はじめまして 札幌でセレクトショップをしています
ヌノカワです
開店してもう13年、これは振り返るしかない!

というわけで、当時のことを思いだしてみます
東日本大震災で世界中が震撼した年、忘れもしません


2011年にサラリーマンをしていた僕は、たった1週間で会社を辞めることになる


これは1週間しか勤務しなかったよ  というわけではなく、10年勤務まであとわずか、という時に会社の方針に異議を唱えたばかりに移動を言い渡され「それならもういいや」と辞表を出したわけです

そうしたら1週間で辞めることになったっていうこと
僕も苛立ったけど、社長も苛立ったんだろうな 1週間だもん  
どう考えても早いよね

これほど急だと“生命力が問われる” 
けれども何の心配もなかったなぁ    

1週間だから何をしようか?  どうしていこうか? という考えは何もなく、あっという間にニートになった                  当時はニートなんて言葉はなかったかも  

せっかく辞めたんだし、「休日を満喫しよう」 と思ったけど、大したこともできず
漢字検定と中2の数学を毎日勉強していた

これはパソコンの資格を取りたかったためだったんだけど、ハローワークの教育制度に申し込みをしたら、希望者があまりに多いので、試験をするというわけで、今更ながら中学生に戻ったということ

朝7時半に起きて、すぐに漢検のドリルをする  勉強になったなぁ たしか3級問題がでるということだったっけ 
この時に「面目躍如」という言葉を知った これは世間の評価にふさわしい活躍をすることなんだって 

数学もいまさらながら変な図形の面積を計算したり、連立方程式?をしたり これはすっかり忘れたけども  

勉強をしていると昼間の部屋はすごく暑くなることがわかる。 
なんせ会社員時代は、あまり休みもないから日中を家で過ごすことがない。
赤ちゃんがいるお母さんとか大変ね 北海道でもクーラーは必要だ

で、新聞をもって車で避暑にむかう  
あるときは、滝のある公園の木陰に車を停めて、クーラーの中で新聞や読む、ある時は、川沿いに車を停めて本を読む 

でも、そういうところにはかならず、会社員の皆さんがさぼってるんだよな~ 

数日が経ち、会社を辞めたことを実感していた頃、サラリーマン時代にお付き合いのあった業者から電話がくる  1件や2件ではなく。。。

「何かするなら言ってね」って

何かって何さ と思うけどそれはひとつしかない。

でもこれってすごいこと

もし、エルメスの本社から『商品貸すよ』って言われたら?

これはそれと同じことだった

エルメスの仕組みはよくわからないけれども、ここはおそらく直営店でしか売ってないよね
でも僕の業界は問屋がいくつも通ってくるもんだからすんごい値段になっちゃう 
ちなみに、電話をしてきてくれたところは、百貨店では80万以上の値段がついてしまう一流の織元ばかりだった

それはこの業界では普通だったし、問屋さんも生きていかなければいかないから仕方ないことだと思っていた

もうちょっとわかりやすくいうと、”エルメスの工場から直でバッグ借りれるよ”って感じで店頭に並ぶ値段ではないってこと
それすごいじゃん ってことで僕はお店に立つことになった

33才の夏、毎日のように、店をやるならここという地区に自転車を漕いだ  車ならゆっくりと観察できないし、駐車場代はかかるし、とにかく毎日のように行った

現地につくと、歩いてる人に抜かれるほどのスピードで自転車を漕ぐわけ  あいつ、平日の昼間から自転車ゆっくり走って何やってんの? という感じだよね絶対  ニート感丸出し

そんな僕はとうとう物件を2つに絞った 
1つ目は少し小さめだけど、場所は良い
2つ目は広いけど、人通りがいまいち

1つ目は僕が好きな札幌の円山地区で裏参道に面していた  オシャレな町で、高級寿司やフランスレストランがたくさんあって、歩くだけでも楽しいところだ

その物件には物件についての連絡先が大きく3つほど貼られてあった
その中で不動産会社の名前が書いていないところへ電話した

もしかしたらそこが大家かもしれないと思ったから
他はちゃんと~~不動産 担当~まで と書いてある 
それは作戦なのか、たまたまポスターがなかったのか、わからないけれども、会社名がなかった。。。

大家に連絡することができれば、仲介手数料ははぶけるかもしれない、という目論見
僕はかつて引っ越しばかりをしていたので、その辺の知恵は少なからずあった  なんなら大家を探す技まで知っている 
これ知ってるひといるかなぁ~

そしてあれよあれよと話は進んでいった  友達に頼んで内装をしてもらったり、ワクワクして完成を待った

そうこうしているとハローワークで受けた試験の結果が届いた
20名の枠に130名が申し込んだというドキドキの試験結果は合格 
これでも僕は真面目に試験対策をしていたからね

でも開店をすることにしたので、それは行かないことにした  
行ってたらどんな仕事をしていたろう  サラリーマンも楽しかったので、なんとなくできたんだろうな  

6月末に辞めて、場所を探して内装をしてもらって、12月1日に開店を目指していたけど、早めることができた  11月15日にする目星がついた

数年後にわかるのだけど、11月15日は「呉服の日」らしい  
なんと僕は呉服の日に着物セレクトショップを開いたのだ。。。

続く

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?