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今日に限って聞いてくれない

美容室でされるマニュアル的質問TOP5といえば、
ケープを巻く時の「苦しくありませんか?」
シャンプー台で「お首の高さ大丈夫ですか?」
「痒いところありませんか?」
「流し足りないところありませんか?」
マッサージで「力加減は大丈夫ですか?」
…といったところ。

いつだって「大丈夫です」と答える。大丈夫だから。もう、いちいち聞かなくてもいいよとさえ思う。

ところが今日、ケープを巻かれた時に初めて、「これ苦しいかも!」と思った。タオルを巻いてその上に大きなケープをマジックテープで付けて、またその上に何か重めの小さいケープを巻かれるのだが、その真ん中のやつがキツい。

なのに、今日に限って何も聞いてくれず、美容師は無言のままさっさとカラー剤を取りに行ってしまった。

ああー、喉仏のあたり、タオルがぐっと押してくる。これからもっと苦しくなりそうな気がする。もしやこれはわざとなのだろうか? あまりにいつもいつも「大丈夫」って言うから試されているのか?

…んなわけもないが、

どうしよう、美容師が戻ってきたら言おうか、「ちょっときついので緩めてもらえますか」とかなんとか。でも、3枚とも外して最初からやり直すのもめんどうだろうなぁ…などと思いながら指でクククッとやってみたら、喉の圧迫感は気にならない程度になって私は命拾いをした。

そして何もなかったような顔でカラー剤を塗られ、「(カラー剤が頭皮に)しみていませんか?」という、これもまたお決まりの質問に答えるのだ。

「大丈夫です」