闇を飲み込め 4

ジャグラーは、軽々とハルキを抱き上げベッドへと歩きかけ、振り返ってニヤリとした笑みを浮かべる
そして、ベッドに腰をおろすとハルキを膝の上に抱え直した
「リク、ハルキは何か言ったか?」
「説明されてないって言ってましたよ。あと、隊長は巻き込まれたと思うって」
リクとハルキの関係をジャグラーは承知しているようで、リクもそれをわかっているようだ
「へえ、思ったより状況見てるな」
ジャグラーはなんだか愉しそうだ
「何があったんですか?」
「同じ話を繰り返す気はないから、役者が揃ってからな」
ジャグラーは入口を見据えている
「ウルトラマンのことはウルトラマンに、だ」


入口が開く音がした
「よう、パパさん、久しぶり」
レイトがそこにいた
「じゃねえな、ゼロ」
ゆっくりメガネをはずしたレイト、その身体を借りたゼロがジャグラーを睨む
「リクがハルキに会いに行ったと言うから来てみれば、何故お前がいる?」
部屋を見回し、ガイがいるのに怪訝な表情
「オーブ?なんだか具合悪そうだな」
まだ喋れなさそうなガイに代わって、トラップの件を説明した
相変わらず性格悪いなと呟くゼロは、ジャグラーを指差す
「何故お前がハルキを抱き抱えてるんだ」
ニヤッと笑い、リクと呼ぶジャグラー
「ああ、同じ話になるのか
あのね、ゼロ。ハルキさんがあの地球の防衛軍のロボット部隊ストレイジのパイロットなのは知ってるよね」
ゼロが頷くのを見て、リクがジャグラーを指し示す
「そのストレイジの隊長がジャグラーさん」
「なんだって!」


「ゼロさん、ハルキというのはいったい何者なんだ?ジードとも知り合いのようだが」
回復してきた様子のガイが尋ねた
「ハルキはウルトラマンZと一体化した地球人だ」
やはり、ウルトラマンだったのか
リクを先輩と呼ぶからにはそうではないかと思ったが
「生易しい説明だなあ」
ジャグラーが低い声で言う
「分離不可能、命を共有している、とまで言えよ」
リクもガイも皆、ゼロを見る
「その通りだ」
苦い声でゼロが肯定する
「人格は別だから、ハルキの姿でいる時はハルキなんだよ、俺の部下の」
ジャグラーは愉快そうに笑った
「文字通り、俺の手の中だ」
ハルキの身体を抱え直したのは、ゼロに見せる為かと判った
舌打ちするゼロに声をかける
「案ずることはない。ハルキはジャグラーにとって庇護対象だ」
「どうしてそう思う?」
ガイがこちらを見る
「あなたが引っ掛かったトラップもハルキにはちゃんと警告しいている。ジャグラーがダメージを負ったのはハルキを被ったからだろう」
面白くなさそうな顔のジャグラーに堂々と告げる
「なにより、私にハルキを頼むと言った。この耳で確かに聞いたよ」

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