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【建築学部生の就職活動】学部卒からアトリエ・意匠設計事務所へ

私は学部3年生の2月頃から就職活動を始めて、(とても遅い…)6月下旬に第1志望のアトリエ(意匠)事務所から内定をいただきました。

学部卒でアトリエ(意匠)事務所に進む人が少なく、ネットの情報も少なかったため、正直苦労しました…。

この記事では、就活の中で私自身が知りたかったことや経験したことなどを書いたので、特に学部卒からアトリエ・意匠設計事務所を志望する人の参考になれば幸いです。


※長文なので、知りたい内容だけ目次から飛ぶことをおすすめします。

※個人的な意見と経験を書いています、異なった場合もありますのでご注意ください。


自己紹介×就職内容

建築学部デザイン学科、4年生、意匠系研究室所属、コンペ入賞歴なし(1次通過が1個だけ…)、学内(最)優秀を何回か

大体の流れ
3年生2月(上旬) 就職活動スタート
4年生4月(中旬) ポートフォリオ完成
    5月(上旬) 応募し始める
    6月(下旬) 内定

応募企業(下記の順に応募)
A、アトリエ設計事務所(建築家、30人弱) 辞退
B、アトリエ設計事務所(建築家、15人程) 面接 不採用
C、意匠設計事務所  (60名程)     書類 不採用
D、意匠設計事務所  (20人程)     面接前に返信が来なくなった
E、アトリエ設計事務所(10人弱)     内定

計5社のみ…です。C社は既に内定予定者が決まっていた、D社は音信不通、という感じで採用してくれる気が最初から無かったので、実質3社に就職活動した結果となりました。

軽く説明すると…
A社に(条件有)内々定をいただき、B社に臨み落ちました。A社とB社から面接を通して事務所内情を聞いて想像と実際に出来る設計の差を感じ、別の設計事務所を探し続けました。その結果、E社を見つけ応募し、内定をいただきました。E社が落ちたらどうしていたんだろう…と思いますが、絶対に入社する気持ちで臨んで内定に繋がったので良かったです。




アトリエ・意匠設計事務所 募集時期


ゼネコンや組織設計事務所は(学部3年、修士1年)11月~12月頃から募集開始されますが、アトリエ・意匠設計事務所の応募時期は不定期です

特に、アトリエは人手が足りなくなってから募集することが殆どで、意匠事務所は4月頃から多く出始める印象でした。

※小さい設計事務所だと、募集はかけないけど連絡してくれれば審査する
という事務所もあります。


各求人サイトの特徴

個人的な偏見と経験でまとめてみました。

A-worker
アトリエ事務所&意匠事務所
→中途採用が多い印象ではありますが、新卒も十分あります。
自分に合った企業を探しやすい(企業オファーみたいなのがある)

architecturephotojobboard
The 建築家のアトリエ事務所
→名前をよく聞くような建築家の募集があります。

マイナビリクナビ
意匠事務所(組織寄りなイメージ)
→2月中旬から募集が多くなった印象。

あとは、新建築で設計事務所を探すのも1つの手です。




就活の軸

様々な設計事務所がある中で応募を絞るのには中々悩みました。私は自分の中の条件を考えて就活の軸を決めました。


【私の就活の軸】

・意匠性のある設計ができる

→普遍化したビルや集合住宅ではない、デザインを考える設計
・設計したい建築のジャンル
→子供、高齢者のための施設、住宅が設計できるなど…
・自分が許容できる範囲の福利厚生
→終電が当たり前の環境は厳しい…
・企業理念、経営方針
→コンペ主体ではなく、あくまでお客様から仕事をいただく経営

アトリエは残業休日出勤がある、意匠事務所は自由な設計ができない、など
色々事務所によって特色が異なります。自分の中の最低条件を決めておくと
絞りやすいと思います。


応募書類、面接練習

大学の就活支援に早い段階で頼って下さい
ネットを参考に書類(志望動機、自己PRなど)を作成すると、思ったよりも
時間を取られます。就活支援は添削もしてくれますし、早めに相談した方が進めやすいと思います。

面接練習は、一般的な質問を投げかけてくれます。私は緊張して練習するのも億劫でしたが、3回くらい面接をすると慣れました。

※結構予約が多いので注意
※私は大学指定の履歴書は使いませんでした。


ポートフォリオ

私はA3縦リングファイルのポートフォリオを作成しました。

→アトリエ設計事務所は、面接官とテーブルを挟んでポートフォリオを拡げプレゼンします。そのため縦で作成すると自分も面接官も見やすく説明しやすいです。
→リングファイルは中身のページ数を変えられるので、余りページが生まれないのが利点です。


※データは5MB以内にしています。
→基本的に5MBで送るように企業から指定されます。


【企業が見ている(だろう)点】
・全体的な質(パッと見てのインパクト)
・統一感
・見やすさ、簡潔さ
・設計内容(タイトル、コンセプト、説明文、図面、パース、模型写真)
・レイアウト(デザイン性)
・フォント(種類、大きさ)

かなり設計内容以外の面も見られます。読み手に見やすいレイアウトか、細かいフォントを気にしているか…。これは、作成者のデザイン力や人柄が出る部分でもあるので、よく検討して作成する必要があると思います。

設計内容は、本当に知りたい情報だけを載せた方が良いです。かっこいい、難しい言葉はボロが出ます…。

※図面名、方位、寸法、など記載するのは当たり前なので、抜けているとすぐ分かります…

※先輩やネット(ピンタレストやYouTube)を参考にすると、作成イメージがしやすかったです。



面接の流れ

面接予定時刻の10分前弱に入社するのが一般的かと思います。小さい事務所は受付がないので、インターホンか内線電話から直接挨拶をする形でした。

最初の第一印象は大事…元気よく挨拶&大学名、名前

その後は、打ち合わせ室に案内され面接が始まります。(どの事務所からも、飲み物をいただきました…ご厚意ですね)



面接の内容

【A社】面接時間:1時間
・志望動機
・ポートフォリオのプレゼン
・質疑応答
・A社の見に行った作品
・大学院に進学しない理由

【B社】面接時間:40分+筆記試験90分
・ポートフォリオのプレゼン
・質疑応答
・A社の見に行った作品
・好きな建築
・大学院に進学しない理由
・将来独立するかどうか(キャリアプラン)

【E社】面接時間:1時間30分
・ポートフォリオのプレゼン
・質疑応答
・キャリアプラン
・大学院に進学しない理由

基本的に、ポートフォリオのプレゼン質疑応答が殆どでした。法規的なことや改善点は考えたかどうかなど、かなり深堀りして質問されます。本当に何を聞かれても答えられるようにした方が良いです。

※ポートフォリオは相手に向けて見せるので、
逆さまの状態でプレゼンをする練習をした方が良いです。


面接の心構え

・いつもの3倍くらい元気よく、笑顔でハキハキ喋る
→オーバーにするくらいが丁度いいです、本当に。
・アイコンタクト
→頑張って目を見ましょう…
・相槌をする
→忘れがちだけど結構大事
・ある程度の言葉使い
→丁寧すぎる言葉は必要ないです、常識の範囲程度で大丈夫でした。


最後に一言


学部卒でアトリエ・意匠設計事務所を志望する人は少なく、情報収集や対策など苦労すると思います。私も苦労しました。そんな似たような就職活動に挑む方達の参考になれば、幸いです。


以上が、私が就職活動で自分が知りたかったこと、経験したことでした。ご拝読ありがとうございました。




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